【巨人】打率1位の岡本と同5位の坂本 Wコンバートが示す阿部監督の深謀遠慮

好スタートを切った坂本(C)日刊ゲンダイ

巨人・阿部慎之助監督(45)が昨オフに断行した2つのコンバートが奏功している。

まずは坂本勇人(35)だ。

昨季終盤、長年守ってきた正遊撃手の座を新人の門脇に明け渡し、三塁に回った。阿部監督が昨オフ、「最初は不安がっていたけど、難なくこなして打撃も上向いた。体力的に楽なのかな」と今季から三塁に専念させることを決めたのだが、その坂本は鹿児島で行われた昨9日のヤクルト戦で1安打。打率.308でリーグ5位と好スタートを切っている。守備面ではこれまで2失策しているものの、転向1年目とは思えない好守も見せている。

三塁から一塁へコンバートされた岡本和真(27)にも相乗効果があった。この日は五回に逆転2点適時打。七回には「風に助けられた」という2号ソロを放つなど全3得点をたたき出した。打率.378、打点9として、もっかリーグ2冠。さる巨人OBがこう言った。

先を見据えた起用

「昨年終盤に坂本を三塁に回したのは原前監督だが、三塁でゴールデングラブ賞2度の岡本を一塁に完全にコンバートすることには迷いがあった。2年前に故障明けの坂本を一塁で起用しようとしたし、昨年は岡本を左翼に回したこともあって、場当たり的な起用が多かった。ただ、阿部監督は坂本を三塁、岡本を一塁で固定すると決めた。坂本はもちろん、岡本にも配慮している。一塁は簡単なポジションではないが、少なくとも三塁より送球の負担が減ったことで打撃に専念できている。現役晩年、阿部監督も一塁を守ったから分かるのではないか。これは先を見据えた起用でもあります」

どういうことか。

「主砲の岡本が今オフにも球団にポスティングが認められ、メジャーに流出する可能性がある。そうなった時、現有メンバーから三塁の後釜を探すのは難しい。岡本を一塁にしておけば、有望株の秋広を空いた一塁に入れられます」(同前)

阿部監督の起用がはまり、巨人はヤクルトに逆転勝ち。勝率を5割に戻した。

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