杵築日出署管内の「交通死亡事故ゼロ」500日に 「住民と協力」決意新た【大分県】

こいのぼりを揚げる赤峰俊彦署長(右端)や県交通安全協会杵築日出支部女性ドライバー協議会の林サヨ子会長(右から2人目)ら=日出町の杵築日出署
「交通死亡事故ゼロ500日」の節目に当たり、チラシなどを配って交通マナーの向上を呼びかける県交通安全協会杵築日出支部女性ドライバー協議会の会員ら=日出町のJR暘谷駅

 【杵築・日出】杵築日出署管内(杵築市と日出町)で交通死亡事故ゼロの日が9日、連続500日となった。県警の組織再編で2012年4月に杵築署と日出署が統合して以降、2番目の記録を更新中。杵築日出署は「地域の交通安全意識の高まりが表れた結果と受け止めている。市民、町民と協力しながら悲惨な事故をなくしたい」と気持ちを新たにした。

 節目を記念して10日、赤峰俊彦署長や県交通安全協会杵築日出支部女性ドライバー協議会の林サヨ子会長らが事故防止の願いを込めたこいのぼり5匹を同署に掲げた。同協議会の会員や署員ら約20人は日出町のJR暘谷駅前で乗降客にチラシなどを配り、交通マナーの向上を呼びかけた。

 同署によると、管内では22年11月26日に杵築市山香町日指の県道で、軽乗用車が道路左側ののり面に衝突して横転し、助手席の女性=当時(99)=が亡くなったのを最後に、交通死亡事故は起きていない。

 現在の杵築日出署になってから、死亡事故ゼロの最長は19年7月30日までの582日。

 管内は国道10号や213号などが走り、交通の要所でもある。長距離運転で注意力が散漫になったり、速度を落とさずに走行したりするドライバーがいるため、同署はパトカーを積極的に動かす「見せる」パトロールを展開。幹線道路などでの速度取り締まりにも力を入れた。

 高齢者の事故を防ぐため、署員でつくる「双城劇団」は公民館などに出向き、寸劇などを通じてお年寄りに横断する際の注意点などを周知している。

 同署地域交通課の甲斐貴之課長は「死者が出てもおかしくないと思われる事故は起きている。気を引き締め、効果的な防止策を講じたい」と話した。

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