「46年後に皆で皆既日食を見よう」米中学教師と生徒の“1978年の約束”に当日集まったのは…

元教え子らとモリアーティ先生(左から2番目=ロイター)

4月8日午後、北米大陸の広い範囲で太陽が完全に月に隠れる「皆既日食」が観測された。そして米ニューヨーク州ブライトンで行われた、ある観測集会が「心温まるイベント」として話題になっている。

さかのぼること46年前、1978年のある日、同州ウェブスターのスプリー中学校で新米の理科教師だったパトリック・モリアーティさん(68)は、14~15歳の生徒たちに日食について熱く語り、最後にこう提案した。

「次に(この辺りで)皆既日食が見られるのは46年後の2024年4月8日だ。その日に皆で集まって皆既日食を見ようじゃないか」

先生はそれから16年、授業で日食について教えるたびに、同じ提案をしたという。生徒たちは揃って「この人、ちょっと変じゃない?」的な表情でモリアーティ先生の顔を見ていたというが……。

時の流れの中で生徒たちの気持ちは変わったようで、8日にはなんと約100人の元生徒たちが、キャンプ用のいすや飲み物などを持ってブライトンにある先生の自宅の庭に集まった。

これにはモリアーティ先生も大感激。教え子たちと神秘的な天体ショーを見た後、地元テレビにこう語った。

「みんなで皆既日食を見ることは単に天体現象を見ることじゃなかったです。教師をやって本当に良かった。驚くべき体験でした」

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