滋賀県警「警官1人当たりの負担人口」全国ワースト2位 隣の京都府警と大きな格差

滋賀県警の採用案内ポスター。キャッチコピーは「誰かを守りたい、それが原点」(県警提供)

 滋賀県警の採用活動が1日から始まった。今回の採用予定は60人で、県警は新たに社会人対象の民間転職サイトを活用し、幅広い人材の確保に力を注ぐ。一方、都道府県人口を警察官の定数で割った「警察官1人当たりの負担人口」で、県警は全国ワースト2位の水準にある。来年度から定数が10人増える見通しだが、負担軽減の道のりは依然険しく、県警は業務の合理化など試行錯誤を続けている。

 県警の現在の定数は条例で2302人とされている。2023年版「警察白書」の統計を基に全都道府県の負担人口を算出すると、最も多いのは埼玉県警で640人、次いで滋賀県警の614人、茨城県警600人と続く(小数点以下切り捨て)。最も少ないのは警視庁で317人、次いで京都府警382人となっている。全都道府県の総数で計算すると、485人となる。

 全国で警察官による不祥事が相次いだことを背景に、国家公安委員会が設けた警察刷新会議による「緊急提言」(00年)では、欧米諸国の負担人口が300~400人であることを踏まえ、「負担人口が500人となる程度まで増員を行う必要がある」とされた。この水準で計算すると、滋賀県警では528人の増員が求められる。

 こうした中、県議会2月定例会議で、県警の定数を10人増やす条例改正案が提出された。ただ、増員の目的は国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会(国スポ・障スポ)開催に伴う警備強化などとされており、翌年以降も定員増が図られるかは不透明だ。

 県警は近年、被疑者の集中護送の本格化といった業務の効率化や、多様な休暇・休業制度の整備などを通じ、警察官の負担軽減に取り組んでいる。警務課の西島亨監察官は「さまざまな施策で少しずつ負担を減らしていくしかない」と話す。

 一方、25年度までに女性警察官の比率を12%とする目標は、来月1日時点で達成される見通しとなった。

 来年4月採用試験の申し込みは、大学卒業程度を対象に、1日から4月19日まで。高校卒業程度も対象とした採用試験は8月1日から受付を開始する。詳細は県警ホームページなどから。

© 株式会社京都新聞社