独ルフトハンザ、テヘラン便の運航停止 イランの攻撃に警戒高まる

[ベルリン/ドバイ 10日 ロイター] - ドイツのルフトハンザ航空は10日、中東情勢の緊迫化を理由にイランの首都テヘランを離発着する同社便の運航を6日から11日まで停止すると発表した。

イランの最高指導者ハメネイ師は、シリアの首都ダマスカスのイラン大使館が1日に空爆されたことを受け、イスラエルに報復すると宣言した。

こうした状況下、イランの通信社はX(旧ツイッター)への投稿で、軍事演習のためテヘラン上空での飛行が全面停止されたと報じた。だがこの投稿はその後、削除された。

中東各国や米国は1日以降、イランによる報復攻撃を警戒している。

ルフトハンザの広報はロイターの取材に「当社は中東情勢を常に注視しており、当局と緊密に連絡を取っている。当社が最も優先するのは旅客と乗務員の安全確保だ」と述べた。

テヘランに就航している他の外国航空会社はこれまでのところ、運航予定の変更について発表していない。

ブルームバーグの10日の報道によると、米国と同盟国はイランまたはその代理勢力がイスラエルの軍事・政府関連拠点にミサイルやドローン(無人機)で大規模攻撃を近く仕掛けるとみている。

米国務省はブリンケン国務長官がイスラエルのガラント国防相との電話会談で、イランによるいかなる脅威に対しても米国はイスラエルを支持すると伝えたことを明らかにした。

また、事情に詳しい関係者によると、バイデン米政権で中東政策を担当するマクガーク調整官はサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、イラクの外相に電話し、イランに緊張緩和を促すメッセージを伝えるよう要請した。

イラン外務省はこれらの国とイランの外相が地域の緊張について電話協議したと述べた。米ホワイトハウスはコメントを控えた。

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