ブラジル3月消費者物価、前月比0.16%上昇 予想下回る

Andre Romani

[サンパウロ 10日 ロイター] - ブラジル地理統計院(IBGE)が10日発表した3月の消費者物価指数の前月比上昇率は0.16%で、2月の0.83%から鈍化し、2023年7月以来の低水準となった。ロイターのエコノミスト調査による予想の0.25%も下回った。

季節調整要因から2月の物価指数を押し上げた教育費が、3月は急激に伸びが鈍った。指数に占める比率が高い食品・飲料も伸びが減速した。

前年同月比は3.93%の上昇と、昨年6月以来の低水準。2月は4.50%、エコノミスト予想は4.01%だった。

アダジ財務相は記者会見で「ブラジルのインフレは抑え込まれている。われわれは、インフレは沈静化しつつあり、購買力を守るという政府の方針が影響を受けることはないと繰り返し説明してきた」と述べた。

キャピタル・エコノミクスの新興市場チーフエコノミスト、ウィリアム・ジャクソン氏は3月の物価統計について「ブラジル中銀が6月に50ベーシスポイント(bp)の追加利下げに踏み切る可能性は高まる」と述べつつ、政策当局者はサービス分野の物価の基調的な高さなどに懸念を抱いている可能性があり、金融緩和のペースが減速する公算が最も大きいとの見方を示した。

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