小さな体40匹、元気に泳ぎ回る 絶滅危惧種カスミサンショウウオ 長崎ペンギン水族館

水槽内を泳ぎ回るカスミサンショウウオの幼生。体長2、3センチほどと小型だ=長崎ペンギン水族館

 長崎ペンギン水族館(長崎市宿町)は新たに、絶滅危惧種の両生類「カスミサンショウウオ」の展示を始めた。2階の一角にある水槽で、小さな体の約40匹が元気に泳ぎ回っている。

カスミサンショウウオが成長した個体。体長約12センチほどになるという(長崎ペンギン水族館提供)

 サンショウウオ科で、幼生は体長約2、3センチ。成長すると12センチほどになる。同館によると、かすみがかったような模様が名前の由来。山間部の水の流れが緩やかな場所などに生息しているが、近年は河川工事などの影響で個体数が減っているという。
 カスミサンショウウオと長崎の関わりは古く、江戸時代にまでさかのぼる。海外交易の窓口だった出島のオランダ商館医シーボルトが、私塾「鳴滝塾」付近の水辺で群れを初めて発見し、標本にしてオランダに持ち帰ったとされる。
 約40匹は水中で生活しているが、2カ月ほどすれば陸に上がるという。飼育展示課で魚類を担当する岡部敬斗さん(24)は「水辺にごみを捨てないことや、乱獲しないことなどがカスミサンショウウオの保護につながる。生まれたばかりの個体なので、成長過程も楽しんでほしい」と話した。

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