【パリ五輪】トライアスロンのスイム中止も セーヌ川は「潜在的な危険がある」

エッフェル塔の周りを流れるセーヌ川(ロイター)

7月開幕のパリ五輪トライアスロンのスイムが中止になる可能性が出てきた。英「BBC」など各メディアによると、かねて懸念されているセーヌ川の水質問題が改善されない場合、スイムだけ中止になるという。

慈善団体「サーフライダー」による最近の調査でセーヌ川の水は安全基準を満たしておらず「潜在的な危険がある」とした上で、周辺の河川で大腸菌が大量発生しており「大雨などでセーヌ川の水質に影響を与える」と指摘。同団体は「憂慮すべき」事態とし「汚染された水の中で動くアスリートの懸念を関係者と共有したい」と説明した。

この件について、パリ五輪・パラリンピック組織委員会のトニー・エスタンゲ会長は「大きな挑戦なのはわかっている。セーヌ川の使用が可能になると確信している」としながらも「もちろん、我々が避けたいことだが、泳げないという最終決定もある」と語った。

セーヌ川の水質改善に向けた再生プロジェクトでは、これまでに約14億ユーロ(約2296億円)もの資金が費やされた。組織委員会は大会期間中も毎日、水質検査を実施し安全を確保するとしている。

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