小平智は「左足体重で左肩を支点」に打つ【ダフリ知らずの寄るアプローチ】

「短い距離はクラブのスピードとボールのスピードが、ほぼ同じになる。だから右手を振るスピード感で、距離を合わせています」と、小平智 撮影/高橋淳司

「米PGAツアーで活躍している選手は、みんなアプローチショットが上手い」と、小平智は言う。それは「米国と日本ではアプローチショットに対する考え方が違うから」と、指摘する。では、小平が考えるアプローチショットで大切なことは? 「レッスンはしない」と公言する小平が、こっそり教えてくれた。

「日本だとショットもアプローチも同じコーチが教えるのが一般的ですが、米ツアーはショットとアプローチのコーチが違う。ショットとアプローチは別モノという考え方です。それとは別にパッティングのコーチもいます」
 
そんなところに米ツアーのショートゲームのレベルの高さがあるのだという。では、何に気をつければい米ツアーのトッププロのように寄せるアプローチが打てるのだろう?
 
「これまでも言いましたがアプローチもコツはありません。いろんな状況があって打ち方が違います。こうやって打つという答えは一つじゃない。ただ、感覚的な話として僕は距離感は右手で出しています。30ヤード以内は右手でボールを投げるくらいのスピードを意識しています」
 
そして、コツはないけど最も大切なことは「軸を動かさないこと」だという。
 
「アプローチは小さい振り幅だから軸が動いていないと思っている人も多いのですが、アマチュアの皆さんはかなり軸が動いています。特にダフリのミスが多い人はバックスイングで軸が右に動いている可能性が高い。軸が右に動いてしまうと、振り下ろしたときにヘッドの最下点がボールの右に来ます。だからダフってしまうのです。アプローチではアドレスからフィニッシュまで左足体重をキープして、左軸で打つことが大切です」
 
もう一つポイントがあるという。
 
「左肩をスイングの支点にしてください。左足体重にして、左肩を支点にすれば振り遅れのミスがなくなります。振り遅れはドライバーなどフルショットだけの問題だと思っている人もいますが、アプローチの振り遅れはドライバーより厄介です。ドライバーは振り遅れてもスイングの円弧が大きいのでインパクト直前で調整できます。でも、アプローチは振り遅れた瞬間にアウト。振り遅れないためにも左肩を支点にして振り子の感覚で打つことが大切です」
 
どの番手でのショットも同じだが、アプローチでも「グリップを強く握らないようにして、ヘッドの重みを感じることが大事。ヘッドの重みを感じながら練習をすれば、本番での距離感が磨かれますよ」と、最後につけ加えた。
 
アドバイスを聞いただけで、なんだか上手く打てる感じがしてきませんか。コースで、練習場で、ぜひ試してください。
 
取材協力/BLUE WORLD GOLF STUDIO
 
◇ ◇ ◇
 
●同伴者と6時間近く一緒に過ごすゴルフでは、空気を読まないといけないシーンが多数存在する。アナタに非がなくても相手の地雷を踏んでしまう可能性も……。関連記事【同伴者のスカートの中が見えそう!「こんなとき、どうする?」】

© 株式会社ALBA