垣根なく学び合い 長崎ミライ教育EXPO キッズゲルニカ展示など 14日まで長崎県美術館

平和を願う書道パフォーマンスや合唱などが披露された開会式=県美術館

 国籍や文化などの垣根のない学び合いを目的とした国際教育イベント「長崎ミライ教育EXPO-希望のキッズゲルニカ-」が9日、長崎市出島町の県美術館で始まった。平和を願う大型絵画「キッズゲルニカ」の展示や、美術やスポーツなどをテーマにした公開授業がある。14日まで。
 不登校の子どもの学習支援などに取り組むNPO法人conpeito(西彼時津町、牛津理美代表)主催。キッズゲルニカは、スペインの画家ピカソの反戦壁画「ゲルニカ」と同じサイズの大型キャンバスに、世界中の子どもたちが平和の絵を描く国際プロジェクト。「世界へ視野を広げ、違いは当たり前だと知り、その中でどう共存するかを学ぶきっかけになれば」(牛津代表)と企画した。
 会場にはウクライナや南アフリカなどのキッズゲルニカ作品18点を展示。自然の中で人間や動物が楽しそうに暮らす様子や、世界中の国旗、「NO WAR」の言葉などが描かれている。生徒たちの手形で桜を表現した長崎市立日見中の作品も並び、生徒会長の大木梨愛さん(14)は「平和への思いが少しでも広がっていくとうれしい」と話した。
 開会式には関係者ら約150人が参加。駐日スペイン大使館のヘスス・サンツ文化科学担当参事官は「今の時代、このようなイベントは大事。戦争が終わるよう願っている」と述べ、キッズゲルニカ国際委員会の金田卓也代表は「一つ一つの作品は色も構図も違う。未来への希望を感じる」と述べた。平和を願う書道パフォーマンスや被爆バイオリンの演奏、合唱もあった。
 13、14日は同館で公開授業「県美術館まるごと学校」を開く。

世界の子どもたちが描いたキッズゲルニカ作品を鑑賞する来場者=県美術館

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