世銀、24年の中南米成長予想を1.6%に引き下げ 競争促進助言

[ニューヨーク 10日 ロイター] - 世界銀行は10日公表した報告書で、中南米・カリブ海地域の2024年の経済成長率は1.6%との見通しを示し、前回予想の2.3%を引き下げた。世界の他地域よりも成長率が劣る状況が続くと見込んだ。

競争が促進されれば成長押し上げの可能性はあるが、企業の多様化は教育やインフラなどの面で制約に直面していると指摘。今の成長率では繁栄をもたらすのに不十分とした。

世銀の中南米・カリブ海地域(LAC)担当バイスプレジデント、カルロス・フェリペ・ハラミージョ氏は「持続的な低成長は単なる統計の話ではなく、発展の障壁となっている。公共サービスの低下、雇用機会の減少、給与水準の低下、貧困と格差の拡大につながる」と述べた。

世銀は、競争の低さがイノベーションと生産性の障壁となっているとみている。域内では労働者の70%が自営業か従業員10人以下の企業に属している一方、大企業がさままざな産業を支配しているという。

各国に競争を促す機関や法律があっても、大企業が政府の政策に影響力を持つケースが多いとして、競争促進の実現の難しさを指摘した。

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