小学生から世界レベルまで 「 長崎ラグビーフェス」13、14日開催 

 小学生から世界レベルまでのラガーマンが一堂に会する「第4回長崎ラグビーフェスティバル」が13、14日、長崎市のベネックス総合運動公園かきどまり陸上競技場を主会場に行われる。13日はリーグワン1部の三菱重工相模原ダイナボアーズ-トヨタヴェルブリッツ(14時30分)の有料試合、14日は熊本県中学選抜-長崎県中学選抜(12時30分)、東福岡高-長崎県高校選抜(14時)をメインイベントとして実施。子どもたちの試合なども含めて、かきどまりは2日間、ラグビー一色に染まる。

1月の県高校新人大会決勝で熱戦を展開した長崎北陽台と長崎北。両校をはじめ、6校から25人が県高校選抜のメンバー入りした=長崎市、ベネックス総合運動公園かきどまり陸上競技場

 フェスは長崎県ラグビー協会主催、三菱重工業特別協賛。同協会は1977年から2019年まで、県外の社会人、大学、高校チームを招いた「長崎招待ラグビー」を開催してきたが、コロナ禍の影響で20年に中断。21年から名称を変えて再開した。
 コロナ禍中の21、22年は県内チームだけの参加だったが、昨年、4年ぶりに県外の中高生チームなどを招待。同協会のスローガンである「すべては子どもたちのために」という原点に戻り、次代を担う中高生の試合をメインイベントにした。高校の試合は「長崎スコットランドカップ」、中学の試合は「長崎県知事杯」として開催した。
 第4回の今年はメインイベントの2試合に加えて、リーグワン1部の試合も開催。このほか、県小学新人大会(長崎ケーブルメディア杯)、女子セブンズ交流戦(森谷商会エイトくんカップ)、チャリティーオークションなども予定されている。各種キッチンカーの出店もある。
 リーグワンの試合以外は入場無料。同協会の松本浩理事長は「リーグワン3年目にして初めての長崎開催。子どもたちに日本のトップレベルのプレーを、ようやく生で見てもらうことができる。2日目は東福岡高の試合もある。2日間、長崎のラグビーファンに楽しんでもらいたい」と本番を心待ちにしている。

■県高校選抜 夏、秋につながる試合を

 県高校選抜は昨年に続いて、全国高校大会(花園)で昨冬まで11大会連続4強以上の東福岡高と対戦する。昨年は故障欠場者が相次いで大敗したが、今季は県高校選抜もレベルアップ。2月の全九州高校新人大会で長崎北陽台高が終盤まで接戦を演じるなど、勝負できる戦力は整っている。九州の絶対王者を倒して、夏の国スポ九州ブロック大会に弾みをつけたい。
 今回は長崎北陽台高をはじめ、県内6校から25人を選抜した。FWの主力となるのは、U-17日本代表のプロップ本山、ロック田﨑凛。体重は本山が123キロ、田﨑凛も110キロで、いずれも前に出る力は群を抜いている。総合力が高い第3列の尾﨑、脇川も攻守の要。フランカー川内、フッカー園田は果敢なタックルで貢献する。
 バックスも突破力があるCTB中田、池田、決定力を備えたFB山口幸、WTB山下ら好選手がそろった。牟田、田﨑果のHB団が敵陣で試合を進めるゲームメークをできれば、勝利へ大きく近づけそうだ。
 今回の目玉の一つは長崎西高から唯一メンバー入りしたロック山本の存在。身長180センチ、体重93キロの体格で、接点に強く、ディフェンス力もある。強豪校の選手に交じって、持ち味を存分に発揮したい。
 昨年同様、主力に故障者が出てベストメンバーは組めなかったが、昨季よりもチーム力は上がっている。今崎監督は「FWを前に出すプレーを選択して、ディフェンスから速いテンポで攻めたい。夏、秋に向けて、いい経験になるような試合をしてほしい」と選手たちの活躍に期待を寄せている。

■県中学選抜 3年後を見据えて編成

 熊本県中学選抜と対戦する長崎県中学選抜は、県内9チームから3年生24人を選出。中学は12人制のため、前後半に分けて全員が出場する予定だ。二見総括は「彼らが高校3年生になる3年後の国スポで、長崎のジャージーを着て躍動することが最重要。そのために多くの経験を積んでもらいたい」と選手一人一人の成長に期待している。

今後の成長が楽しみな選手がそろった県中学選抜=長崎市営ラグビー・サッカー場

 全国的に中学生も大型化しているため、フィジカルで負けない選手を中心に選んだ。主力となるのは、昨季から選抜メンバー入りしていたプロップ山口修、CTB平野、FB本多、門、SO浜辺の5人。特に突破力がある山口修はFW、強さと速さを兼ね備えた平野はバックスの主軸としてチームを引っ張る。門のロングキックも大きな武器になりそうだ。
 5人以外も有望な選手がそろった。FWはチーム最重量85キロのプロップ元川、最長身180センチの山口原、178センチの副嶋らが軸になる。バックスはSH高石、川野、SO渡部が的確にコントロールして、チームが目指している「つなぐラグビー」を体現したい。
 チームの目標は10月の九州大会優勝、12月の全国大会優勝、そして3年後の宮崎国スポ少年男子で優勝。二見総括は「今回のメンバー以外も県内にいい選手がいるので、本番の秋、冬に向けてセレクションは続けていく。高校で活躍できる選手を選んでいきたい」と先を見据えてチームをつくっていく方針だ。

© 株式会社長崎新聞社