20歳以上男性の33%が「肥満」 22年「県民健康・栄養調査」

 県が公表した2022年の「県民健康・栄養調査」で、20歳以上の男性で体格指数(BMI)25以上の肥満者の割合は33.1%と、16年の前回調査から3.8ポイント上昇した。新型コロナウイルス禍による生活習慣の変化が一定程度、影響したとみられる。食塩や野菜の摂取量もほぼ全年代で要改善の水準となり、県は健康寿命延伸に向けてバランスの良い食事を3食取る重要性を呼びかけている。

 健康と生活習慣に関するアンケートでは、20歳以上の男性3051人のうち千人超がBMI25以上だった。年代別の肥満者割合は50代37.6%、30代36.8%、40代36.4%など。新型コロナ禍で「体重が増えた」は男性22.5%、女性25.6%、「1日の運動量が減った」は男性14.6%、女性15.8%で、外出自粛などの影響が見受けられる。

 一方で、骨量減少や低出生体重児出産などが懸念される若年女性の「痩せ」が目立ち、20代の22.2%、30代の13.2%が痩せの基準値となるBMI18.5未満だった。

 栄養摂取状況調査によると、1日当たりの食塩平均摂取量が10.2グラムで、16年より0.2グラム増えた。20歳以上では男性11.6グラム、女性9.7グラムで、男性の約8割、女性の約6割が県の目標値8グラムを上回った。野菜の平均摂取量は、目安とされる1日350グラムに対し、約60グラム足りない291.9グラム。年代別では20代が208.9グラムと不足が目立った。夕食に比べて朝食、昼食での摂取量が少ない傾向がみられた。

 県がん対策・健康長寿日本一推進課は主食と主菜、副菜を組み合わせた食事の重要性を強調。素材の味やうま味、酸味を生かした味付け、塩分カットの食品・調味料に加え、ナトリウムの体外排出を促すカリウムを含んだ野菜の摂取などが減塩に有効とする。カット野菜や冷凍野菜、野菜ジュースの活用、常備野菜の作り置きなどによる1皿分の「ベジアップ」を勧奨している。

【メモ】県民健康・栄養調査はおおむね5年に1度実施。22年は、健康と生活習慣に関するアンケートは5~6月の間、中学生以上の1万5000人を対象に実施し、有効回答者数6420人。栄養摂取状況調査は10~11月の間、1歳以上の1936人を対象に行い、有効回答者数934人。

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