猫が壁にするマーキング、なぜ臭い? 岩手大グループが解明

猫のスプレー尿が臭い理由の研究成果をまとめた上野山怜子さん(左)と宮崎雅雄教授

 猫が壁にマーキングする尿が臭いのは、垂直なものに付着しやすいから―。飼い主が抱える悩みの種の理由を、岩手大農学部の宮崎雅雄教授(49)=分子生体機能学=らのグループが解明したと発表した。通常の尿と化学成分は変わらず、タンパク質の働きで付着しやすく、におい成分が広範囲から揮発して悪臭を発するという。「別の成分の尿ではないか」という通説と異なる愛猫家驚きの結果。今後、消臭手法の検討にも役立つと期待される。

 グループによると、猫は自分の存在を主張するため、尾を立てて外壁などの垂直物や家具に尿を吹きかけ(スプレー尿)、通常の尿より臭く感じられる。住宅街の悪臭問題の原因としても関心が高く、別成分の尿という通説や、肛門腺由来の分泌物が混入するためという説があった。

 グループは、通常尿とスプレー尿の成分を比べ、スプレー尿と、採取直後のぼうこうの尿も比較。大きな違いはなく、猫に嗅がせても違いを識別できなかったことから、悪臭が肛門腺由来ではないとした。

 

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