サッポロビール那須工場が閉鎖へ 来年3月、従業員は配置転換 生産拠点再編の一環で

来年3月末での閉鎖が決まったサッポロビール那須工場=10日午後、那須町高久甲

 サッポロビール(東京都渋谷区、野瀬裕之(のせひろゆき)社長)は10日、栃木県那須町高久甲の那須工場を2025年3月末で閉鎖すると発表した。同社の生産拠点再編の一環で、従業員約30人の雇用は継続し、閉鎖後に配置転換する。

 同社によると、那須工場は敷地面積約4万7千平方メートル。2006年、特別清算中だった銀河高原ビールから製造設備を買収し、07年10月に本格稼働した。135ミリリットルや250ミリリットルの「黒ラベル」といった小容量の缶ビールや、限定ビールのたる製品などを製造している。生産能力は年間で約1万キロリットル。

 酒税法の改正でビールの税額が段階的に引き下げられる中、同社は黒ラベルと「ヱビス」を中心にビール製造を強化してきた。両ブランドに経営資源を集中させ、生産体制を最適化するために那須工場を閉鎖する。

 同工場で製造する製品のうち、今後も継続して販売するものは他の生産拠点へ製造体制を移す。工場跡地の活用法は検討中という。

 同社は「長きにわたり地域の皆さまに支えられてきた」と感謝の意を示した上で「さらなる事業成長性を確保するためにも、中長期的に安定した製造体制の確立に努める」とコメントした。

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