森田さ~ん、オーガスタのお天気は? 「初日は雨模様」/森田正光のメジャー天気予報

米ツアーのメジャー初戦、「マスターズ」が11日(木)に開幕する。舞台となるオーガスタナショナルGCはアメリカ南東部にあり、気温も暖かく穏やかな天候で知られている。TBSのニュースでもおなじみ、気象予報士の森田正光さんに大会期間中の天気を解説してもらった。

北関東の群馬県前橋市あたりをイメージ

まずはオーガスタ周辺の地形から見ていきましょう。北西にアパラチア山脈があるものの、オーガスタ自体の標高は44mと平坦。海岸線(大西洋)から220km近くまでずっと平坦な地形が続いていて、海からの風がそのままオーガスタ近辺まで流れてきやすいのです。

つまりどういうことかというと、湿った風が海から入ってきやすく、アパラチア山脈にぶつかってオーガスタに雨を降らせやすい。これは北関東の地形を想像してもらうと分かりやすいかもしれません。群馬の前橋などは海岸線(太平洋)からずっと平坦な地形が続いているので、湿った風が流れ込んで雨が降りやすい。低気圧がやってきて湿った風が入ってくると、それなりに雨が降るということです。

緯度は福岡と同じぐらい。沿岸から内陸に220km入った場所にある

4月の平均降水量は70mm。ことしは平年並みの予報が出ているので、4日間のうち一回は20~30mm程度の雨が降るのではないかと思います。平均気温も平年並み。4月なので移動性高気圧がたびたびやってきて、日が差せば汗ばむ陽気になります。日中は20度以上にもなり、上着を脱いで半そででのプレーになるでしょう。

では、気候の特徴を踏まえて、ことしのマスターズの4日間の天気予報を見ていきましょう。

初日をのぞけば、快晴が予想されるオーガスタウィーク

大会初日(11日)は、低気圧に伴う前線が通過する予報で雨風が強まりそうです。お昼の段階でも低気圧が抜け切れていないので、一日を通して雨が降るのではと予想されます。雷が鳴る恐れもあり、プレーが中断することもあるかもしれません。南風が入り込むため、雨の割には気温が下がりません。

初日とは一転、2日目以降は高気圧に覆われて晴れてきます。特に13日(土曜日)は雲ひとつない青空になるのではないでしょうか。気温も25度近くまで上がりますが、内陸からの乾いた風が吹くため、日陰なら過ごしやすいくらいかもしれません。最終日はさらに気温も上がり、30度近くになる予報です。風も南寄りで蒸し暑さを感じるかもしれません。その14日は雨雲がオーガスタの南側を通り抜ける天気図になっていますが、おそらく雨は降らずに済むのではと思われます。

初日の天気図。オーガスタ上空に雨雲が(提供:NOAA)

さて、オーガスタで皆既日食が話題になっていましたが、私も実はそのタイミングでメキシコに行き見ていたんです。今回で皆既日食は8回目。晴天になりやすい土地を選んでメキシコ北部のクアトロシネガスに行ったのですが、皆既(太陽がすべて隠れる状態)5分前でもまだ曇り。重苦しい空気に包まれていましたが、始まる寸前に太陽が雲の切れ間に入り、そこからダイヤモンドリングが見えました。そのあと約4分にわたって、コロナやプロミネンス(太陽の縁から炎が立ち上がるように見える現象)が見られました。諦めかけていた中で見られた天体ショーは、これまでの皆既日食の中で、もっとも思い出深いものになりました。

協力/ウェザーマップ

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン