これが“偽装夫婦”の作り方!?ニセの関係でマッチングした男女の密談『夢見びと』本編シーン

『夢見びと』©シロクマ・フィルムズ

インディーズ邦画としては異例の30映画祭10部門受賞22ノミネートという快挙を成し遂げ、賞レースを席巻した『夢見びと』が、4月13日(土)より公開される。このたび、マサ(川口高志)とカナコ(森川由樹)の2人の主人公が、リアルな“偽装夫婦”を演じるために密談する本編シーンが解禁となった。

夢見る若者たちの青春群像ミュージカル

本作は、イギリス出身・日本在住で映画監督と会社員を兼業する異色の新進気鋭Kenjo(ケンジョウ)が監督・脚本を務めた長編デビュー作だ。この作品は、その場限りの「偽りの関係」で出会った若い男女が、夢への情熱と現実のはざまでもがきながらも「真実の自分」を見出していく姿を圧倒的な歌とダンスで彩るミュージカルドラマ。

主人公マサを演じたのは、舞台や映画で活躍中の川口高志。奥手だが心優しい青年マサを朴訥した存在感で演じている。レンタルファミリーの女優カナコを演じたのは、映画、CM、舞台と幅広い活躍をみせる森川由樹。飾りっけのない等身大で好演している。

リアルな“偽装夫婦”を演じるための密談

映像は、マサ(川口高志)とカナコ(森川由樹)が、とある飲食店でテーブルをはさんで向き合う場面が映し出される。マサは独身だが、危篤の実父を安心させようと、レンタルファミリーで偽物の“妻”を雇うことに。こうして雇われたのが女優のカナコだった。

互いのことをほとんど知らないままマッチングした2人は、リアルな“偽装夫婦”を演じるために密談を実施する。ぎこちない様子で相手のことを探り合う2人だが、極度の緊張や照れ臭さも相まってトイレに立ったり、お酒を一気飲みしたりと落ち着かない。やがて密談は本題に入り、“夫婦”としての“ウソ設定”をディスカッション。

夫婦の現在について「もっとロマンチックな設定のほうが良くないですか?」とカナコが提案すると、「地味なほうが信じやすくない?」とマサ。さらに偽物の“妻(偽名:スミレ)”の生い立ちについて、「大学で歴史を学び歴史家になるのが夢だった」などとありもしないウソエピソードを膨らませていくことに…。

そんななか、マサが「仕事大変そうだね。毎回違う相手を演じなきゃいけないなんて。難しそう」とカナコを労うと、「どれが本当の自分だか分からなくなっていくのって楽しいですよ」とカナコはやや寂しげな表情をみせる。偽装夫婦を成立させるためのウソにまみれた密談のはずが、相手の素顔に迫ろうとする絶妙な2人の距離感を捉えたシーンとなっている。

『夢見びと』は4月13日(土)より池袋シネマ・ロサほか全国順次公開

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