pixiv、“実写及び著しく写実的な作品”の投稿禁止を明記【追記あり】

イラストコミュニケーションサービス・pixivが、4月10日にガイドラインを改定した。

ガイドラインに記載してある、投稿等を禁止しているコンテンツの要項が対象。

「実写と同等もしくは著しく写実的で、性的意図を認められるもの」が、「実写と同等もしくは著しく写実的なもの」に改定されている。

※4月15日追記:ガイドライン改訂の背景についての説明を追記。

pixiv「禁止行為について運用上の変更はございません」

pixivが改定したのは、ガイドラインにある「イラスト、マンガ、うごイラ、及び各種投稿画像について」という項目。

ユーザーが投稿する画像(イラスト、マンガ、うごイラ、小説の表紙、設定資料、直接アップロードした挿絵など)に関して、禁止事項がまとめられている部分だ。

pixivは改定の理由について、「性的意図の有無を問わず、明らかに写真と見分けのつかない画像の投稿を禁止しております。上記の禁止行為について運用上の変更はございませんが、ガイドライン上の表現が不十分であったため、このたび改定いたしました」としている。

今回のガイドライン改定を受けて、一部ユーザーが写実作品の投稿規制を懸念しているが、pixivはもともと写真及び写真と見分けがつかない作品の投稿は禁止されていた。

また、「生成AIによる写実的な作品を規制する目的があるのではないか」との声も挙がっているが、声明において、生成AIに関する言及はないことは留意しておくべきだろう。

総登録ユーザー数が1億を突破したpixiv

pixivは、2007年9月からサービスを提供している、イラスト・漫画・小説等の投稿プラットフォーム。

イラストを中心にした、国内最大のクリエイタープラットフォームであり、2024年1月には総登録ユーザー数が1億を突破している。

関連サービスとして、クリエイターを支援できるpixivFANBOX、好きな画像をデザインしたTシャツなどのグッズを制作できるpixivFACTORY、ネットショップを簡単に開設できるBOOTHなども展開している。

4月15日追記:pixiv、ガイドライン改訂の背景を説明

4月15日、pixivは公式サイトを更新。写実的な作品に関するガイドライン改定の背景について、具体的な画像を例に挙げながら改訂の意図を説明した(外部リンク)。

ガイドライン改訂を発表した4月10日以降、一部ユーザーから「ハイパーリアリズムといった画風・技法の投稿も禁止されるのか」などの意見が上がっていた。

pixivはそれらの意見を受け、「ユーザーの皆さまの混乱を招いてしまった」として、下記のような画像の投稿を改めて禁止する意図があったと説明している。

【pixivガイドライン改訂の背景となった画像】
1. 作成手段を問わず、必ずしも性的・残虐とは断定できないが、文脈等によってはそれらの意図が認められる可能性がある写実的な画像
・例:実在しないと言い切るのが難しいほど写実的な児童と、水着・おむつを組み合わせた画像等

2. 人権侵害、情報操作、社会的混乱を招くことを目的とした写実的な画像
・例:実在未成年の飲酒、実在政治家・著名人の逮捕、実在しない戦場や災害の風景、投資詐欺の誘引等

pixivでは、これらの投稿は以前から望ましくない行為と捉え、発見次第削除等の対応を行ってきた。しかし、改定前のガイドラインではその根拠を十分にユーザーへ伝えることができていなかったため、今回の改訂に至ったという。

なお、ユーザーから指摘された「ハイパーリアリズムといった画風・技法の投稿」は、pixivにおいて投稿可能であり、今後も投稿が禁止されることはない旨が、改めて明言した。

今回の発表でpixivは、「ガイドラインに抵触するかどうかの具体的な判断基準は、基準の境界付近を狙う悪質行為を防ぐため、公開・回答いたしかねますが、皆さまが安心して閲覧・投稿できるよう、今後も基準の策定および運用を続けてまいります」と説明している。

© 株式会社カイユウ