足利大付属高を緊急避難場所に 市と大学が覚書締結 台風19号による冠水被害受け

協定を締結した早川市長(左)と武井理事長

 【足利】洪水時の緊急避難場所として足利大付属高(福富町)を活用してもらおうと、市と学校法人足利大学はこのほど、市役所で覚書を締結した。

 市は2019年の台風19号による発災以来、緊急避難場所として民間施設を活用できるよう働きかけを進めている。同校がある梁田地区は台風19号で冠水被害が出ており、地元自治会から緊急避難場所の確保を求める要望が出ていた。

 緊急避難場所は、生命の安全の確保をするために住民が緊急に避難する施設。今回の覚書では、市から協力要請があった場合、学校の職員が避難者の誘導や物資の提供、市への避難者数の報告などを行うことを規定している。

 覚書に調印した早川尚秀(はやかわなおひで)市長は「一層の連携を図り、地域の防災力の向上を目指したい」とあいさつ。同法人の武井全補(たけいぜんぽ)理事長は「足利では1947年のカスリーン台風で200人以上の犠牲者を出した。生命を保つことの手助けをできれば」と応えた。

© 株式会社下野新聞社