曙太郎さん死去、元Kー1プロデューサー谷川貞治氏「電信柱の陰で口説いた」サップ戦裏話&追悼

元Kー1プロデューサーで、現在は格闘イベント「巌流島」をプロデュースする谷川貞治氏が11日、大相撲で外国出身初の横綱となった第64代横綱で、格闘技界でも活躍した曙太郎(本名同じ、享年54)さんの訃報を受け、自身のX(旧ツイッター)で曙さんを悼んだ。

曙太郎さんは米ハワイ州オアフ島出身。1988年春場所、東関部屋から初土俵。204センチ、200キロ超の巨漢からの突き、押しを武器に出世を続け、兄弟横綱の貴乃花、若乃花と数々の名勝負で空前の相撲人気を呼んだ。

92年名古屋場所で新大関。93年初場所で2場所連続3回目の優勝を果たし、同場所後、外国人として史上初の横綱に昇進した。98年長野五輪では開会式で横綱土俵入りを披露した。優勝回数11回。2001年九州場所後、両膝負傷を理由に突如引退を発表した。引退後は曙親方として東関部屋の部屋付き親方を務めたが、03年11月に日本相撲協会を退職した。格闘家に転身し、K-1参戦を表明。同12月31日のデビュー戦では、ボブ・サップに1ラウンドKO負けを喫した。その後、総合格闘技、プロレスラーとして全日本、ハッスルなどで戦った。

17年4月、福岡県内の試合後、体調不良を訴えて緊急搬送された。一命は取りとめたが、入院生活が続き、リハビリを行っていた。

谷川氏は「2003年の大晦日九州場所。 アポなしで高砂部屋の朝稽古に押しかけ、電信柱の陰で口説いたK-1参戦。「サップと試合しませんか?」「サップかぁ」一夜で口説けた奇跡の大逆転。曙太郎さんのご冥福をお祈りします(原文ママ)」と曙さんをK-1に導いたことを回想しつつ追悼。さらに「紅白歌合戦の裏番組で唯一視聴率で超えた曙vsボブ・サップ戦。43%! 解説には貴乃花や古賀稔彦、清原和博がいて、なぜかフジの藤原紀香と長谷川京子もいた。ゲストにはマイク・タイソンとヒクソン・グレイシー。国歌斉唱は小柳ゆきとスティビー・ワンダー。レフェリー角田信朗。凄い祭りだった」と連続投稿で、当時を振り返った。

(よろず~ニュース編集部)

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