〈副業〉〈フリーランス〉で“売れっ子”になるなら…〈会社員マインド〉は一切捨てるべき理由【専門家が助言】

(※写真はイメージです/PIXTA)

副業やフリーランスで仕事を請け負うとき、短時間でクオリティの高いものを納品することは、とても重要なポイントです。しかし、「どんなにクオリティが高くても、仕事が発注されづらいケースもある」と、多数のWebサイト制作を手掛けてきた起業家の土岐あい氏は言います。土岐氏の著書『SNSサポート副業』(大和出版)より、詳しく見ていきしょう。

副業やフリーランスで仕事を請け負う人に必要な「マインド」とは

「仕事が増えないように仕事ができないふりをしていました」

というのは、私のスクールの受講生の言葉。

会社員や公務員だと仕事ができる人のところに仕事が集中しがちなのに、仕事ができない人と給料が変わらないという事象が発生します。だから、いかに仕事をせずに効率悪く時間が過ぎることを、期待するような振る舞いをしてきたという人もいるかもしれません。

その一方で、SNSサポート副業やフリーランスで行う場合、時間=お金になります。この場合の時間とは、できる限り効率良く、短時間でクオリティの高いものを出せるほうが収入が上がっていくということ。

時間をかけて頑張ったことは評価にはなりません。成果物や売上が報酬になります。さらに、自分の仕事の効率を良くして、単価を上げていくことはもちろんなのですが、時間単価が高い人の時間を奪わないということも非常に重要です。

クライアントやディレクターやプロデューサーは忙しい人たちです。時間を割く=大きなコストがかかることなのです。たとえば年商5,000万円のプロデューサーが月に100時間を仕事にあてていたとしたら、時給は約4万2,000円という計算になります。あなたがプロデューサーの時間を30分使うということは、2万1,000円の利益を奪う行為になります。

ですから、どうやったら時間単価が高い人の時間を短縮できるかを考えながら仕事をしていくことが必要ですし、時間単価が高い人の時間を節約することができる人は非常に重宝される人材となります。

たとえば、次にあげる質問では、どちらが時間をとらずにすむでしょうか?

(1)「〜がわかりません」

(2)「質問があります〜はAかBかどちらでしょうか?」

この場合、圧倒的に(2)のほうが答えやすいですよね? オープンクエスチョンだと質問の意図がわかりにくい上に、文章を考えなくてはいけませんが、AかBかで聞かれたら「A」とか「B」とかすぐ答えることができます。

他にも「どんなデザインが良いでしょうか?」と聞かれるよりも「Aタイプ、Bタイプ、Cタイプどのテイストがお好みですか?」と参考画像とともに提示をしてくれたほうが、圧倒的に答えやすいのです。

コミュニケーションは必ず「ポジティブ」な言葉で

また、コミュニケーションコストが高いと、どんなにクオリティが高くてもお仕事をもらいにくくなります。

たとえば「こんな私でもできますか?」「やったことがありませんが大丈夫でしょうか?」「お役に立てているか心配です」という、「大丈夫」という言葉待ちのコミュニケーションは封印しましょう。クライアントやディレクターはカウンセラーではありませんし、学校の先生でもありません。プロフェッショナルとしてのあなたに仕事を依頼していますので、慰めたり応援したり安心させるために時間を使わせないようにしましょう。

フリーランスとして、特にリモートワークの環境下では、仕事上のコミュニケーションは主にオンライン通話やテキストによって行われます。日常的に使用するのはテキスト、つまり、メールやメッセンジャー、チャットワークなどのコミュニケーションツールが中心となります。

ここで重要なのは、ネガティブな言葉よりもポジティブな言葉を使う意識を持つことです。たとえば、打診された期日の実現が厳しいときに、長々とした言い訳をせずに、

「〇日は難しいですが、△日まででしたら対応可能です。ご都合はいかがでしょうか?」

と簡潔かつ肯定的に伝えることが重要です。

また、「〜はやったことがありませんので、ご迷惑をおかけすることもありますが……」という自己保身の言葉は避け、クライアントに対して自信と準備を示す言葉を選びましょう。クライアントは作業者を育てる義務はありません。

貴重な時間と労力を節約するためにも、明確かつポジティブなコミュニケーションが求められます。仕事上のやりとりは、簡潔に、ポジティブに行うことが重要です。できない理由を述べるのではなく、「これならばできます」というポジティブな言い回しに変換して伝えるよう努めましょう。

さらに、「〜は聞いていなかったので」「〜って言っておいてくれたら良かったのに」というような自己保身の言葉も避けることが重要です。自分が悪くないことを証明するのではなく、クライアントと協力して解決策を見つける姿勢が求められます。

納品物や請求に関する事項では、作成前に確認を行うことが重要であり、確認を怠ったことはこちらの責任と認める姿勢が重要です。

副業やフリーランスとして仕事をしていくには、ときには会社員マインドと正反対の考え方をすることも必要です。従業員ではなく経営者として、指示待ちではなく全体を見渡しながら仕事ができるように視点を変えてみてくださいね。

土岐 あい
チームビジネスプロデューサー

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