ゴルファーが考える『自宅は賃貸か購入か問題』 3,000万円の売却利益まで税控除され、相続でも節税できる『購入』が一歩リードか

リタイア後に「夢のゴルフ三昧生活」をもくろむゴルフ雑誌編集者K。ゴルフ資金を貯めたいゴルファーならずともぶち当たる、家の賃貸か購入か問題。46歳という年齢はちょっと遅い気もするが、購入に踏み切る決意を……できない。あらためて専門家に聞いた。

ーー本格的に賃貸をやめて購入を考えているんですが……金額が大きいだけに、やっぱりコワイんです……。
 
私は購入を勧めますよ。自宅を購入する場合、頭金が少なくても住宅ローンで購入することができます。例えば5,000万円の住宅やマンション。土地・建物に及ぶわけですが、支払いが終われば自分の所有になります。5,000万円の資産を持ったので、売ることもできる。ゴルフ代を稼げる可能性もありますよ。
 
ーーでも、売るときには税金がかかるんじゃないですか?
 
3,000万円までの利益には非課税という特典があります。5,000万円で購入した物件が、8,000万円で売れれば3,000万円の利益が出ても全額特別控除になるんです。もちろん、仲介手数料等あるのでそのまま全額利益というワケではありませんが。
 
ーーそりゃすごい。でもそんなに上手くいくものですか?
 
購入するときのコツはもちろんあります。賃貸で非常に人気のある場所、またはすぐに売却できる場所を選ぶことですね。
 
ーー場所が肝心なんですね?
 
人気の駅から近いとか、交通の便が良いとか、日当たりが良いとか。そういった物件は将来値上がりが期待できます。
 
ーーなるほど。値上がりすれば、儲けが出てゴルフ代が作れる……。
 
そうです。資金がなくても、持ち家を上手に売却すれば多額の貯蓄も可能なのです。
 
ーーあ! 値上がりが続けば、売却を繰り返して、より良い物件に住むことができるというわけか。
 
ローン返済中でも、いつでも売却できるんです。売らない場合でも、将来賃貸で貸し出すこともできますからね。値上がりが続くかどうか、もちろんリスクは伴いますが、期待はできますよ。
 
ーー資産を持つと、いろんなことができるんですね。ゴルフ代もひねり出せそうな予感がします。
 
賃貸で家賃を払いながら、数千万円の預金をするのは、並大抵のことではありません。ここで不動産を持つ人と、持っていない人の資産格差が非常に大きくなるわけです。それに相続でも節税効果が高いんです。
 
ーーえ? どういうことですか?
 
相続税を算出する評価額が、不動産は実勢価格より低くなることが多いのです。現金・株式などは時価と同等の評価額になりますが、不動産は取引価格よりも低い額で評価されます。現預金を不動産に換え、その差額が大きくなればなるほど相続税対策には効果的。また、賃貸物件を取得すると、さらに評価額が下がり節税効果が生まれます。高齢になったときに、子供に資産を残したいときは不動産購入を薦めますね。
 
ーー現金を不動産に換えれば税金が安くなるとは知りませんでした。早速物件を探してゴルフ資金獲得に動きます。

【覚えておきたい用語】
不動産買い替え時の特別控除:自宅を売却して譲渡益が出た場合には、特別控除の適用を受けることにより、3,000万円を上限に課税される金額を減らしたりゼロになることもある
相続時における不動産評価額の計算法:国税庁によって路線価が定められている土地は、「路線価 × 土地の面積」で計算する。定められていない土地は「固定資産税評価額×倍率」で計算

深澤朝房
ふかさわ・ともふさ、不動産評論家・住宅評論家・不動産コンサルタント。「日本で唯一の『不動産ソムリエ』が教える、誰も知らなかった地歴・地相・家相の真実』(ダイヤモンド社)他、著書多数。(一社)日本不動産ソムリエ協会会長

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