食後高血糖に注意!健康診断で正常値だからといって安心してはいけない理由とは?【炭水化物の話】

健康診断ではわからない

定期的な健康診断で正常値だからといって、安心してはいけません。一般的な健康診断で測るのは、空腹時血糖値です。場合により赤血球中のブドウ糖との結合割合を見る「ヘモグロビン(H b)A 1c」も測定されます。しかし、血糖異常はまず食後高血糖として現れます。

たとえ食後に血糖値が上がっても、3時間ほどすると正常な血糖値に戻るため、空腹時血糖値だけを測定する通常の健康診断では、異常が見つかりにくいのです。平均値(HbA1c)の異常も同様です。一方、前述の中国人を対象にした研究では、食後血糖値まで調べると、成人の2人に1人の割合で血糖異常が起きていることがわかっています。

もう1つ問題なのは、食後に血糖値が急激に上がる反動で、急激に下がる「血糖値スパイク」という現象が起きることです。血糖値の乱高下は血管を傷つけ、動脈硬化につながる恐れがあると考えられています。さらに認知機能の低下に関わっていることもわかっています。*5あらゆる危険をはらんでいる食後高血糖ですが、血糖測定器を購入し自宅で測定する、あるいは検体測定室のある薬局やドラッグストアで測定してもらうことができます。どちらの場合も食事を食べはじめてから1〜2時間後に測定してください。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 炭水化物の話』
著:山田悟

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『眠れなくなるほど面白い 図解 炭水化物の話』
著:山田 悟

昨今、健康法やダイエット法として“糖質制限”が浸透し定番となっていますが、一度やってみたものの挫折してしまう人も多く「一生続けるのは現実的じゃない…」「やっぱり主食を食べたい」という声も少なくありません。 本書では『炭水化物』をテーマに、ガマンせずに食べながら痩せる方法や生活習慣病の予防に役立つ知識を、糖尿病専門医でもある著者が図解でわかりやすく解説します。 すべてのカギは『血糖値』。血糖値と聞くと、糖尿病など生活習慣病の人だけが気にするべき数値のようなイメージがあるかもしれませんが、健康診断の数値にあらわれない『食後高血糖』は成人の2人に1人に起きているといわれており、誰もが他人事ではない数値です。 炭水化物を食べながらでも血糖値を上げない食事法を具体的に紹介し、「GI値の低い食品って太りにくいの?」「外食のときはどうすればいい?」「食べ過ぎてしまったら翌日は食事を抜くべき?」といったギモンにも医学的に回答。さらに「白米よりチャーハンのほうが太らない」「油はたくさん摂ってOK」「朝のフルーツはNG」など、今までの固定概念を覆す新常識も。 最先端の研究にもとづいた食事法で、炭水化物や糖質を「食べられない」ではなく「どう工夫して食べるか」がわかる、楽しく一生続けられるメソッドが満載の一冊です。

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