スカートかズボン、ネクタイやリボンも自由に選択 中学全校でジェンダーレス制服導入 鳥取県大山町

ジェンダーレス制服に身を包んで入学式に臨む新入生=鳥取県大山町所子、大山中学校

 鳥取県大山町は町立中学校全3校でジェンダーレス制服を導入し、10日、ジェンダーレス制服を着用した初めての入学式があった。新入生は新デザインの制服に身を包み、中学生活の第一歩を踏み出した。

 生徒は性別にかかわらずスカートかズボンを自由に選択できる。上は共通でワイシャツにブレザーとし、ネクタイとリボンも選択できる。ブレザー、スカート、ズボンは3中学校で統一。ネクタイとリボンは各校で異なるデザインとした。2、3年生についても新たに購入すれば着用を認める。

 町教育委員会によると、2019年ごろからジェンダーレス制服の導入を望む声が各校から上がり、生徒や保護者らにアンケートをして素材やデザインを決めた。

 ジェンダーレス制服は全国で採用する動きが広がっている。学生服製造大手のトンボによると、24年度に制服を変更した学校は約700校で、大半がジェンダーに配慮しているという。

 山陰両県でも、男女共学で制服のある県立高校計59校のうち、90%に当たる53校で女子生徒がズボンを選択できる。

 大山中学校(大山町所子)であった入学式には新入生59人が出席。ズボンやネクタイを着用した女子生徒の姿もあった。

 ズボンを着用して出席した新入生の河本朱音(あかね)さん(12)は「動きやすく、脚を見せたくなかったためズボンを選んだ。着たいものを着ることができ、自分自身でいられるのがいい」と話した。

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