プッシー・ライオット創設メンバーの“実践的な知”をもとにした「自伝&生き方の指南書」が翻訳発売

ロシアのプロテスト・パンク・アート集団プッシー・ライオットの創設メンバーであるナージャ・トロコンニコワによる自伝&生き方の指南書『読書と暴動 プッシー・ライオットのアクティビズム入門』(ソウ・スウィート・パブリッシング)が発売される。2018年に刊行された『Read & Riot』の翻訳本だ。

プッシー・ライオットは、その挑発的なパフォーマンスと社会に対する鋭い批評で世界的に知られている。その中でも特に注目を集めたのは、FIFAワールドカップ決勝戦での乱入や、母国ロシアでプーチン政権を批判するゲリラ・ライブだ。本書は、プッシー・ライオットの設立経緯から、彼女たちがロシア国内で行った数々のアクション、さらにはロシア当局に逮捕されたのちの苛烈極まる獄中生活までを綴ったトロコンニコワの手記であり、その中から得た実践的な知識を10の基本原則として紹介する「生き方の指南書(サバイバル・ガイド)」となっている。

また、個人の権利と自由を抑圧する体制に対抗するための方法、アクティビズムが社会において果たす役割、アートとアクティビズムがどのように交差するのか、など、現在の社会問題に対する疑問に対して、トロコンニコワがユーモラスに答えていく。キム・ゴードン(ミュージシャン)、オリヴィア・ワイルド(『ブックスマート』ほか)によるあとがきや、清水知子氏(東京藝術大学教授)の解説も収録されているのにも注目だ。

本書はただの自伝や生き方の指南書とは一線を画し、プッシー・ライオットの活動を通じて得た実践的な知識を通じて、私たちがどのように自身の生活や社会をより良くすることができるかを示してくれる。ぜひチェックしてみよう。

(文=リアルサウンド ブック編集部)

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