エンゼルスには「大谷移籍」が好影響? 投打の主力失ったのに地区首位快走のナゼ

打って44本塁打、投げて10勝(5敗)の大谷翔平(29=ドジャース)がオフに退団。主砲兼エースの大黒柱を失ったにもかかわらず、めぼしい補強をしなかったエンゼルスが、意外にも気を吐いている。

開幕したばかりとはいえ、日本時間10日現在、6勝5敗で昨年のワールドシリーズを制したレンジャーズと並んでア・リーグ西地区の首位にいるのだ。

二刀流の看板選手がいなくなったのに、好スタートを切ったのはなぜか。

「大谷が抜けたことがマイナスでなく、プラスに作用しているかもしれません」と特派員のひとりがこう続ける。

「二刀流の大谷がエースだったことで、昨年までのエンゼルスは先発6人制だった。しかも大谷の体調によって、他の先発の登板間隔がズレることもあった。けれども、大谷が抜けて先発は5人に。規則正しくローテーションを回せるようになったのは大きい」

エンゼルスのチーム防御率5.20は、30球団中27位。全体としてみれば芳しくないものの、アンダーソン(34)は計2試合、14回を投げて2勝0敗、無失点。デトマーズ(24)は計2試合で2勝0敗、防御率1.64。エース格の2人が確実に計算できるようになった。

野手で目立つのは3戦連続となる6号本塁打を放ったトラウト(32)と打率.304、3本塁打、11打点のウォード(30)の2人だ。

「起用法も自分で決めるなど良くも悪くも突出した存在だった大谷が抜けたチームを、選手を気持ち良くプレーさせることに長けたワシントン監督がうまくまとめている」と前出の特派員。

現時点で「脱大谷」の効果が表れているというのだ。

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