『青春18×2』で18歳と36歳を演じ分け 藤井道人監督も信頼するシュー・グァンハンの魅力

5月3日に公開される日台合作映画『青春18×2 君へと続く道』のシュー・グァンハンについて、藤井道人監督のコメントが到着した。

本作は、台湾で話題を呼んだ紀行エッセイ『青春18×2 日本慢車流浪記』にインスパイアされたチャン・チェンが映画化を企画し、監督に藤井道人を切望し始動したプロジェクト。『余命10年』『新聞記者』などを手がけてきた藤井監督にとって初の国際プロジェクトとなるラブストーリーだ。

主人公ジミーを演じるのは、台湾の俳優シュー・グァンハン。藤井監督は、18歳の初々しいジミーと大人の切なさが漂う36歳のジミーを演じ分けた彼について、「本当に素晴らしい俳優に出会えました」と絶賛しており、作品について熱く語りあえる“兄弟”のように信頼していることを明かした。

シュー・グァンハンは、台湾映画史上記録的なヒットを記録し、第96回アカデミー賞国際長編映画賞の台湾代表にも選出された『僕と幽霊が家族になった件』で主演を務めたほか、宮﨑駿監督の『君たちはどう生きるか』台湾公開の吹き替え版で、日本版では菅田将暉が演じたアオサギ役の声も担当している。

藤井監督はジミーの18歳の時と36歳の時を同一人物に演じてもらうことを望んでいた中、全ての台湾の知り合いがシュー・グァンハンを推薦したという。シュー・グァンハンとの撮影を振り返り、藤井監督は「グァンハンの第一印象は、すごくシャイで優しいお兄さんという感じでした。でも実際に2ヶ月間撮影を一緒にしていく中で、冗談を言い合えるくらい仲良くなったし、作品についてお互いに議論し合える兄弟のような存在になれました。本当に素晴らしい俳優に出会えました」とグァンハンを仲間として信頼する熱い気持ちを語っている。

さらに「台湾パートでのあるシ ーンでイメージが合わずに何回もテイクを重ねてしまいました。何がダメか自分でもわからず“どれかに良いものはあるだろう”とOKを出したらすぐにグァンハンがやってきて“本当に良いと思ってOKを出した? 監督が 本当に納得できるものを撮るまで何回でも付き合うから、僕に気を遣わないでほしい”と言ってくれて、本当に有り難かったです。そこで正直に“わからなくなっちゃったんだ”と言えました。彼とは建設的な話し合いができて、とてもやりやすかったです」と、妥協のないシュー・グァンハンの撮影への向き合い方を明かした。

撮影当時の実年齢は32歳だったにもかかわらず、初恋に心を躍らせる18歳の初々しさと、人生の酸いも甘いも噛みしめる大人の魅力を漂わせる36歳のジミーを演じ分けたシュー・グァンハン。藤井監督は「すごく若くも見えるし、すごく大人にも見えて、ミステリアスな存在だなと思いました。18歳のジミーも36歳のジミーも同じ人に演じてもらいたいと思っていたので、グァンハンはジミー役にぴったりでした」と、シュー・グァンハンを絶賛した。
(文=リアルサウンド編集部)

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