カナダ、今夏も森林火災多発の恐れ 春夏の高温予想で政府が懸念

Nia Williams

[10日 ロイター] - カナダ政府は10日、エルニーニョ現象で春から夏にかけて気温が例年より高くなると予想し、今夏も「壊滅的な」森林火災シーズンになる恐れがあると発表した。

昨年はカナダ史上最悪の火災発生を記録。6600件を超える火災により年平均の約7倍となる1500万ヘクタールが消失。消防士8人が死亡し、23万人が自宅から避難した。

今冬は例年より気温が高く、広範囲な干ばつが発生。夏も猛暑になる環境が整ったとみられている。

非常事態対策担当の当局者は記者会見で「気温の傾向は極めて懸念される。全土で熱波と干ばつが見られ、森林火災のシーズンがより早く始まってより遅く終わると予想されるほか、より爆発的になる恐れがある」と述べた。

政府閣僚らは、気候変動が森林火災や干ばつ、熱波など極端な気象現象を引き起こしていると指摘。ウィルキンソン天然資源相は「森林火災はこれまでにも全土で発生しているが、頻度と激しさはこれまでにないものとなっている」と述べた。

© ロイター