中型&大型観葉植物の育て方。置き場所、水やり、肥料、植えかえ、鉢の大きさは?

「大きな植物は育てるのがむずかしそう」と思うかもしれません。でも、日照も水やりも、基本的な育て方は小さな観葉植物と同じ。違うのは「植物の背が高い」「鉢が大きい」「土の量が多く、重くて動かしにくい」の3点。置き場所は購入前に計画しておきましょう。大きい観葉植物は存在感もたっぷり。おうちで過ごす時間が楽しくなります!

★ミニ観葉植物の育て方★

置き場所

中型&大型観葉植物の場合、どこに置くかを決めてから植物を選びましょう。軽くて小さな観葉植物とは違い、簡単に移動させることができません。一度、置き場所を決めたら、あまり動かすことのない場所が理想的。そして、日当たりや風通し、エアコンの風が当たるかどうかをチェックし、その環境に合う植物を探しましょう。

また、部屋の広さと植物とのバランスも大切です。大きな葉の植物は、広い部屋向き。小さな部屋では圧迫感があり、より狭く感じさせます。逆に葉が細い植物は葉の隙間から背景が見えるため、小さな部屋でも圧迫感を感じさせません。

水やり

春〜夏は鉢土の表面が乾いたら、鉢底穴から水が上がれるくらいたっぷりと。夏は水をよく吸い、鉢土の乾燥も早いので水ぎれに注意。冬は水を必要としないので、回数は少なめに。与えすぎると、根腐れの原因にもなります。受け皿にたまった水も捨てること。空気が乾燥しているときは、葉水も効果的です。害虫予防にもなります。

土の表面が乾いている状態。軽く、水はけのよい粒状培養土を使用。

マルチング

マルチングとは、植物を植えた鉢土の表面を園芸資材で覆い隠すこと。土の乾燥を防ぐだけでなく、スタイリッシュな演出効果もあります。

パークチップ、ココナッツファイバー、麻布など素材もいろいろ。土が乾燥したかがわかりにくいため、土がすぐ見えるように敷き方に工夫したり、まめに乾く具合を確認するなどしましょう。

麻布を無造作に丸めて鉢土の上に置くだけでも、センスアップ!

肥料

液肥(液体肥料)には、そのまま使えるタイプと、水で希釈して使うタイプがあります。即効性にすぐれていますが、効果は持続しません。

置き肥は土の表面に置く粒状の肥料で、水やりのたびに少しずつ溶け出すため効果はゆっくりですが、持続性があります。

肥料やりのタイミングは4〜9月。根を傷めることもあるので、希釈倍率、回数を守りましょう。

最近では、床暖房などで室内が暖かく、冬でも植物が成長を続けている場合は肥料を与えてもよいです。

液肥 植物の状態に合わせて、濃度や頻度を調整して使います。
置き肥 土の上に根に触れないように置いておくだけ。継続期間も1〜2カ月と長い。

植物と鉢の大きさ

ひとりで動かせる鉢は、だいたい10号サイズまで。鉢が大きくなればなるほど、土も多く入るため、重みが増します。見た目はテラコッタでじつはプラスチック製の鉢など、豪華に見えて軽い鉢も多く売られています。

一般的な目安を紹介します。

6号鉢 直径:約18㎝ 必要な土の量:2.3ℓ
7号鉢 直径:約21㎝ 必要な土の量:3.6ℓ
8号鉢 直径:約24㎝ 必要な土の量:5.4ℓ
9号鉢 直径:約27㎝ 必要な土の量:7.7ℓ
10号鉢 直径:約30㎝ 必要な土の量:10.6ℓ

植えかえ

中型&大型観葉植物の植えかえには、ふたつの目的があります。ひとつは「成長に合わせて、鉢を大きくする」こと。もうひとつは「鉢の大きさは変えずに、今の大きさをキープする」ことです。

元気がないように見えたり、鉢底穴から根が飛び出してきたりしたときも、植えかえのタイミング。植えかえは、生育旺盛な春〜秋、気温が15度以上の時期がおすすめ。植物が休眠する冬は避けましょう。

購入したときの植物の大きさをキープするためにも植えかえが必要です。住まいによっては、これ以上大きくなると置けなくなることもあるでしょう。そのため、枝と根を切る作業を行います。新しい枝や根が出て、植物は元気なままの購入時の姿が維持できます。

根が回りすぎた状態。植えかえをして、水と養分を楽に吸い上げられるようにしましょう。

植物は背丈が高くなるだけでなく、鉢の中では根をいっぱいに広げ、きゅうくつになってしまうことがあります。すると水分や肥料分も吸収できません。これを「根詰まり」といいます。2〜3年に一度は、ひと回り大きな鉢への植えかえが必要です。

基本の剪定

せっかく伸びたのに……と、成長する葉や枝を切り落とすことに抵抗感を感じる人もいるかもしれません。でも、ご安心を。むしろ、余分な枝や葉を切り落とすことで、成長が促され、ますます元気になるんです。

さらに枝と葉がすっきりすることで、風通しがよくなり、栄養が行き渡り、全体のバランスもよくなります。

剪定は4〜7月の成長期に行うのが基本です。剪定したら、日当たりのよい場所に置くと、成長が促され元気な新芽が出やすくなります。

【1】混み合っている枝を探し、節を残して切り落とします。この節を残すことで、次の芽が出やすくなります。

【2】剪定後は肥料を与えて、明るい窓際や半日陰の屋外で管理します。

広がった茎を切る

成長により茎が増えていくと葉が広がり、全体的なバランスが乱れ、ややワイルドな印象になりがちです。茎が増えたら、茎を根本から切り落とします。1〜2本切り落とすだけでも、かなり印象は変わるはず。葉が枯れたときも、同じように切ります。

【1】余分な茎だけ手で持ち、切りやすいように前に倒します。

【2】根元ぎりぎりのところで、茎を切り落とします。

【3】根元がすっきり。葉もシュッと上を向き、さわやかさがアップ。

※この記事は『はじめよう!観葉生活』主婦の友社編(主婦の友社)の内容をWeb掲載のため再編集しています。

※2023年11月9日に配信した記事を再編集しています。


© 株式会社主婦の友社