曙さんはプロレス界で数々の功績 プロレス大賞・新人賞、最優秀タッグ賞、2度の3冠王座戴冠

三冠ベルトを持つ曙さん

心不全で死去したことがわかった大相撲の元横綱曙太郎さん(享年54)は、プロレス界で数々の功績を残した。

K―1やPRIDEでは思うような結果を残せないまま、2005年7月2日の米「WWE」ハウスショー(さいたまスーパーアリーナ)でプロレスデビュー。新日本プロレス、全日本プロレス、ノア、ゼロワン、ハッスルなどのリングで活躍した。

抜群の知名度におごれることなく真摯にプロレスに取り組んだことから、05年度の「プロレス大賞」では新人賞と最優秀タッグ賞(パートナーは武藤敬司)をダブル受賞。09年度にも浜亮太とのコンビで最優秀タッグ賞に選ばれている。

また、13年10月に諏訪魔を破り3冠ヘビー級王座を初戴冠すると、15年5月には潮崎豪を撃破し王座返り咲きに成功。世界タッグとアジアタッグを巻くだけでなく、15年にはチャンピオン・カーニバルを初制覇した。全日本だけでなく、ゼロワンでは世界ヘビー級王座、ドラゴンゲートではトライアングルゲート王座、DDTではKO―D6人タッグ王座を戴冠している。

新日本マットでは06年3月に当時のIWGPヘビー級王者ブロック・レスナーに挑戦するも、ベルトには届かず。07年にはG1クライマックスに出場を果たした。

13年9月には全日本の所属となり取締役を務めたが、15年11月に退団。同12月には自身の考えを具現化した新団体「王道」を旗揚げした。

だが、17年4月の巡業に同行していた曙さんは試合の日の朝、不整脈の症状が出たため車で福岡県内の病院へ。関係者によると、病院での治療中に症状が悪化し、一時は心肺停止になったという。この影響で記憶障害の後遺症が残る中、闘病生活を続けていた。

© 株式会社東京スポーツ新聞社