テニスBJK杯の組合せ決定、代表復帰の大坂なおみはシングルス2で出場!「見ている人に楽しんでもらえる試合をしたい」<SMASH>

4月12日(金)と13日(土)の2日間にかけて、東京・有明コロシアムで開催される、女子テニスの国別対抗戦「ビリー・ジーン・キング・カップ」(元フェドカップ/以下BJK杯)ファイナル予選、日本対カザフスタン戦。その開幕前日の11日、会場で組み合わせ抽選式と、両国の監督および代表選手の会見が行なわれた。

日本のシングルス1は、世界ランキング79位の日比野菜緒。昨年7月に出産し、今年1月から復帰した大坂なおみ(193位)がシングルス2を務める。またダブルスチームには、2023年全豪準優勝ペアでもある青山修子/柴原瑛菜が選出された。

BJK杯のフォーマットは、両国のシングルス1および2選手が総当たりで対戦。3勝したチームの勝利となるが、2勝2敗で星を分け合った場合は、ダブルスに両国の命運が委ねられる。

グランドスラム4勝を誇る元世界1位が、紅白のジャージに身を包み有明コロシアムに姿を現すと、独特の空気が空間を満たした。大坂がBJK杯に参戦するのは、約4年ぶり。日本でのプレーは、2022年9月の東レ・パンパシフィック・オープン以来となる。

昨年から日本を率いる杉山愛監督は、「私も出産を経験している。身体やパフォーマンスを戻すのがどれほど大変かはわかっている」と、大坂の状況を慮った。ただ今年1月に話をした時点で、大坂の意欲を感得。以降は「スムーズにやりとりができた」と言う。

対戦国のカザフスタンは、エースのエレーナ・ルバキナ(4位)を欠くものの、続くユリア・プチンツェワ(50位)は今季好調。先のマイアミ・オープンでは、ベスト8に勝ち上がるなど自信と勢いをつけて日本へと乗り込んできた。また、単複出場予定のアンナ・ダニリナは、最高位10位のダブルス巧者。仮にダブルスに勝敗が持ち込まれれば、プチンツェワとダニリナのペアリングも十分に考えられる。
対する日本は、青山/柴原の最強ペアがしんがりを務める。この2人の存在感がシングルスを戦う選手たちの安心感にもなっていることは、会見での雰囲気からもうかがえる。

例えば、こんな一幕があった。試合への意気込みを問われた大坂は、「見ている人に楽しんでもらえる試合をしたい」と言うと、隣に座る柴原と青山に顔を向けて、「もしダブルスの試合があれば、それはこの大会のハイライトになる。修子の試合はすごく楽しいし、私は修子と瑛菜のペアを見るのが好きなの」と笑った。

シングルス1の大役を担う日比野も、「もちろんタフな試合になると思うが、こちらもベストメンバーが揃っていると自負している」と、静かな口調に自信と矜持を込める。また日比野は、「カザフスタンとの対戦は、数年前にアジア・オセアニア予選で戦って以来。その2カ国が、決勝トーナメントを懸けて戦えることをすごくうれしく感じています」とも言った。

この一戦の勝利国には、世界上位12カ国が集い最強を決する「BJK杯ファイナル」への参戦権が与えられる。単複、そして控えに回る本玉真唯も含め、あらゆる状況に対応できる最強布陣で、チーム・ジャパンが大舞台への切符をつかみ取りに行く。

取材・文●内田暁

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