午後3時のドルは152円後半で売買交錯、34年ぶり高値圏

Shinji Kitamura

[東京 11日 ロイター] -

午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場終盤から小幅ドル安/円高の152円後半で取引されている。日本時間きょう早朝につけた34年ぶり高値の153円台を小幅に下回る水準で、介入警戒感とドルの底堅さが交錯する展開となった。

米消費者物価指数(CPI)の上振れと金利上昇に支えられたドルは、前日NY市場の最終盤に上げ幅を広げて一時153.24円まで上昇。1990年6月以来、34年ぶり高値を更新した。

歴史的な高値更新を受けて、東京市場は円買い介入への警戒感が強まる展開となり、ドルは午前の取引で152円後半へ反落した。鈴木俊一財務相をはじめ、神田真人財務官、林芳正官房長官と政府高官から円安けん制発言が相次いだ。

しかし、大幅な金利上昇に支えられたドルの堅調地合いは変わらず、午後に入るとじりじりと上昇。午後3時過ぎには153円前半を回復した。

市場では「ドルがようやく151円後半の膠着を脱したことで、当面は上値を試す展開となりやすい。ドルが上がれば上がるほど、市場の介入警戒度は増してくる」(上田東短フォレックス営業企画室室長の阪井勇蔵氏)との声が聞かれた。

米金利先物市場が織り込む6月の利下げ期待は、CPI発表前の5割強から2割弱まで急速に低下した。9月会合まで現状の政策金利水準が維持される確率も、前日の1割弱から3割超へ上昇した。「CPIが3カ月続けて予想を上振れ、その内容も一時的な上昇とは言い難いものだった。市場が描いていた利下げシナリオは修正を迫られている」(外銀アナリスト)という。

ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 152.96/152.99 1.0741/1.0743 164.33/164.34

午前9時現在 152.95/152.96 1.0739/1.0743 164.28/164.29

NY午後5時 153.18/153.21 1.0740/1.0744 164.52/164.55

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