薬物使用をめぐる問題でヘンリー王子の米国ビザ申請書が国土安全保障省から裁判所に提出される

ヘンリー王子(ロイター)

過去の薬物使用などヘンリー王子の米国入国資格をめぐる問題で、王子のビザ申請書が裁判所に提出されたことが分かった。米ニューズウィーク誌が10日に報じた。

ヘンリー王子が回顧録「スペア」で薬物使用を告白したことで、米国入国を禁止すべきだという主張が昨年から巻き起こり、ワシントンDCの保守系シンクタンク「ヘリテージ財団」は、米国滞在ビザを与えた国土安全保障省(DHS)にビザ申請書類の開示を求める裁判を起こしていた。昨年7月には連邦地方裁判所のカール・ニコルズ判事は、DHSに対して書類を裁判所に提出するよう命じている。

DHSは当初からヘンリー王子のプライバシーを侵害するため、ビザ記録を公に公開することはできないと主張しており、過去の申請では「裁判所は一貫して、個人のビザや入国資格は非公開であり、個人情報は開示の対象外であると判示している」と主張していた。

しかしこのほどジョー・バイデン大統領の政権弁護士が、DHSが裁判所命令に従ったことを確認した後、ヘンリー王子の米国ビザ申請書類は裁判所に提出されたという。

同紙が入手した裁判所への提出書類には「被告である米国土安全保障省は(非公開で)カメラによる一方的な審理のために添付ファイル付きの宣言書を提出することで、2024年3月7日の裁判所の命令に従ったことを裁判所に謹んで通知する」と記されており、書類は暗号化されたリンク経由で提出されたという。

トランプ前大統領が再選した際は、ヘンリー王子に厳しい処置を下すと公言しており、今回のビザ申請書類提出が王子の米国滞在にどんな影響を及ぼすか、注目される。

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