高台に新たな防災拠点 和歌山・すさみに江住避難所が完成

「道の駅すさみ」前に完成した江住避難所(和歌山県すさみ町江住で)

 近い将来の発生が予測されている南海トラフの大地震に備えて、和歌山県すさみ町で防災の取り組みが進んでいる。江住地区では、高台にある道の駅の近くに新たな防災拠点が完成した。

 すさみ町江住に完成した避難所は、「道の駅すさみ」前の国道42号沿い、紀勢自動車道のすさみ南インターチェンジの出入り口付近にある。土地の海抜は約28メートル。町が昨年6月から建設していた。 

 町によると、江住地区の住民は約220人。区内には、南海トラフ巨大地震による津波の浸水想定区域に民家があるほか、大雨や台風で土砂崩れが発生する恐れがある地域に民家があるという。区は、町に対し避難所の建設を要望していた。

 建物は木造平屋。敷地面積1036平方メートル、延べ床面積は299平方メートル。土地や備品購入費などを含めた事業費は約1億4300万円。

 施設内には、避難室、体調が悪い人が使用する介助室、会議室、災害用の備品を保管する備蓄庫、男女トイレ、多目的トイレ、車いす利用者も使用できるシャワールームなどがある。避難者の収容人数は約40人。駐車場は9台分ある。

 この避難所は今後、町役場江住支所としても活用する。災害時には現場の対策本部になる。現在の江住支所は、南海トラフの大地震で津波被害を受ける可能性があることから、準備ができ次第、移転する予定。

 町防災対策室の岩田省吾室長は「道の駅は国土交通省から防災拠点に指定されており、第2駐車場はヘリポートとしての活用を想定している。近くにはガソリンスタンドや大規模避難所を想定した旧江住小学校もある。江住避難所の完成で、この一帯が防災拠点としての機能が高まった」と話している。

地図 江住避難所

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