「東京の方が全然何十倍も苦しかった」パリ五輪シングルス代表を勝ち取った平野美宇独占インタビュー

【見逃し配信】平野美宇・単独インタビューSP|https://youtu.be/p1xFt0-Osz0

4月6日放送の『卓球ジャパン!』は平野美宇インタビューSP。

パリ五輪のシングルス代表権を獲得した1月の全日本選手権直後に行われた独占インタビューにて、選考レースでの心境、ライバル"みまひな"への想いなどをじっくり語ってもらった。

2021年8月に東京五輪が終わり、次のパリ五輪選考レースが始まったのは7か月後の2023年3月。気持ちの準備ができないままの平野は、第1回選考会は8位と出遅れた。

「12月ぐらいまではまだ皆さんにお祝いしていただいてるみたいな時期だったので、そこから3か月でまだメダルを取れた嬉しさみたいのが残っていたので、(選考レースが)始まった時はまだ少しフワフワしていました。それで8位で始まったので本当に現実を突きつけられましたし、涙が止まらなかったです」

続く第2回大会もベスト8に終わったが、第3回大会では見事優勝を果たした。

「(この優勝は)大きかったですね。あれがなかったら多分今ここにいないかなって思います」

巻き返せた要因として、石川佳純と熾烈な争いを繰り広げた東京五輪選考レースの経験は大きいだろう。「私にとっては東京の方が全然何十倍も苦しかったです」と平野も語る。

「リオから東京の5年間が1番しんどくて、すごく悔しい気持ちをバネに成長できたけど、自分の成績と自分の中身が追いついていなくて、周りの期待と自分の立ち位置が違うなってわかった時に、"もうできないな"って思って、2018年ぐらいからの選考が終わるまでの2、3年ぐらいが1番しんどかったですね」

レースは早田ひなが独走状態でシングルス代表の1枠目を確定させ、残り1枠を平野と伊藤美誠で争う形となった。

「去年(選考レースが)始まった時は8位からスタートしたので自分はチャンスないですし、2回目の選考会は私が順位決定戦をやっている時に、伊藤選手と早田選手が隣のコートで準決勝を戦っていて"自分とはレベルが全然違うな"って思った。

でも(レースの)最後は、中澤監督や張コーチに、"そういう無理なんじゃないかなっていうところからまた伊藤選手と争えるぐらいのところに戻ってこれたというのはすごいことだよ"って言ってもらえたので、ここに来れたことだけでもすごいっていう風に思いながら試合をすることができました」

選考レース最後の舞台となった全日本選手権で伊藤よりも獲得ポイントを上回った平野が僅差で勝利。悲願だった五輪シングルス代表権を獲得した。

「前回のレースは負けても自分の問題だなって思うことがあったけど、今回のレースは年下の選手と戦うこともあって、"自分の卓球よりもっとすごい新しい選手が出てきてる"、"もうダメなんじゃないか"って思うことがあった。でもそれを乗り越えて、しっかり最後勝てたというのは本当に1つ新しい自分になれた気がして、そこが1番嬉しいです」

現在日本女子を牽引するのは、早田ひな、伊藤美誠、そして平野美宇、2000年生まれの黄金世代トリオ。当然ながら平野にとっても2人の存在は大きい。

「小さい頃は(今のこの状況を)想像できなかったけど、15、6歳の時にはみんなで"絶対そうなろうね"って話はしていました。本当にそれが現実になりましたし、大体1人ぐらいは置いていかれたりとか、腐ってしまったりというのがあると思うんですけど、びっくりするぐらいならずに、勝ったり負けたりでここまで来てるっていうのは本当にすごいことだな、なかなかないことだなってって思っています」

ライバルたちとの切磋琢磨でより大きく成長した平野は自身2度目となる五輪に挑む。中国選手をも恐れさせれる"ハリケーン"は、この夏パリでどんな旋風を巻き起こしてくれるのだろうか。

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