2024年シーズンの展望について語るシーホークスQBスミス

シアトル・シーホークスのジーノ・スミス【AP Photo/George Walker IV】

NFLでの12シーズン目を迎えようとしているベテランクオーターバック(QB)ジーノ・スミスは、これまでの大半と同様に、待ち受けている障害を乗り越えようと戦っている。

シアトル・シーホークスでは新しいヘッドコーチ(HC)が就任し、QBルームには新たに若手選手が加わった。

スミスが先発に任命されていることはいったん忘れよう。プロボウルに2度選出された経歴を持つスミスは、敬意を得るための終わりなき戦いに挑む中で、またしても自分の地位を確立することに専念している。

シーホークスが自主参加のオフシーズンワークアウトを実施する中、スミスは現地10日(水)に「新しいコーチングスタッフと昔からのコーチングスタッフに、すべてを証明しなければならない」と報道陣に語った。

「毎日だ。毎日、そうやって目を覚ましている。俺はサム(ハウエル)と競っている。彼が俺と張り合っているのも分かっている。俺は全力で戦うつもりだ。最高の状態になれるように、ここにいるみんなと競い合うんだ。それ以外の方法はない」

ヘッドコーチを務めていたピート・キャロルが退任したことを受け、ボルティモア・レイブンズの守備コーディネーター(DC)だったマイク・マクドナルドを後任に据えた今オフシーズンは、シーホークスにとって歴史的なものとなっている。

スミスの将来に不満を抱く声もあったが、ジェネラルマネジャー(GM)ジョン・シュナイダーはハウエルを獲得したにもかかわらず、年次リーグミーティングの場で「ジーノがうちの先発だ」と明言している。

今オフシーズンに契約を再編してもいるスミスの競争心が消えることはないだろう。さまざまな意味で、スミスとはそういう選手なのだ。

自分が相応の敬意を得ていると思うかと尋ねられたスミスは、結局のところは分からないと答えたものの、それを得るために戦い続けるモチベーションはあると話している。

「正直、分からない。あるケースでは“ああ、得られている”と言えるけど、別のケースではノーと言うことになると思う。繰り返しになるけど、俺の仕事は敬意を得るために戦うことで、それが俺の楽しみでもある。このリーグでリスペクトされるために戦い続けることは競争することでもある」

そうした不屈の精神をスミスに伝える上で、キャロルが大きな役割を果たしたのは間違いない。

キャロルから学んだことについて質問されたスミスは「常に競争する。常に戦う。常に立ち向かう。決して引き下がらない」と答えた。

今後、シーホークスが羽ばたいていく方向はマクドナルドHCによって導かれる。

スミスのわずか3歳上と、まだ若いマクドナルドHCは、ワシントン大学で攻撃コーディネーター(OC)を務めていたライアン・グラブをチームの新OCとして呼び寄せた。

スミスは「グラブコーチは自分のことも自分のシステムも、自分がどうしたいかも分かっている」とコメント。

「彼は自分のプレーコールと、オフェンスとしてのやり方に、ものすごく自信を持っていると言える。今、俺たちはこのオフェンスを学び始めたばかりだ」

初めてそのオフェンスを見たときに“かなり複雑”だと感じたと明かしたスミスは、チームメイトとともに新しい用語やプロテクション、それに付随するあらゆることを身につけようとしている。

シーホークスの選手たちはグラブのシステムを学ぶと同時に、マクドナルドHCにも慣れようとしているところだ。

スミスの話によると、2年連続で9勝を挙げたシーホークスには、より素晴らしく、より明るい日々を送る準備が整った、フィジカルで、容赦のない、自信に満ちたチームになる責任があるという。

「これまでに見てきたところ、彼にはビジョンがある」と語ったスミスはこう続けた。

「彼にはプランがある。すでにチームとして俺たちにそれを示してくれている。彼を助けるのが俺たちの仕事で、俺たちがそこに到達するのを助けるのが彼の仕事だ。今は、さっきも言ったように、まだすべてが始まったばかりだけど、去年、彼のいたレイブンズと対戦したとき、そのスキームがどう機能し、ディフェンスとしてどれだけ優れていたかが分かった。彼らがディフェンスとしてどれだけ優れていたことか。俺たちは彼が持っているスキームの種類だけじゃなくて、彼がもたらすリーダーシップも、人間性も、全体的に素晴らしいコーチであることも知っている。それは俺たちが楽しみにしていることだ」

もちろん、今季はスミスにとって、シーホークスに加入してから初めてキャロル以外のヘッドコーチの下でプレーするシーズンとなる。

前を向き、マクドナルドHCのビジョンを受け入れることが重要だと考えているスミスは「本当に大事なのは、受け入れること。コーチが誰であろうと、誰が指揮を執ろうと、受け入れなきゃいけない。全員がそうしなければならない。それが重要なメッセージだ。今、まさにそれが起こりつつあると感じている」とコメントした。

【RA】

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