著名人になりすまして、SNSでウソの投資話を持ちかける詐欺の被害が急増しています。本人たちからも対策を求める声が上がっています。
栗山英樹さん
「失礼します」。
11日、栗山警察署を訪れたのは栗山町に住む栗山英樹さん。道内で相次ぐSNSを使った投資詐欺を防ごうと、町民や道民へのメッセージをしたためました。
栗山英樹さん
「魂は込めました」。
栗山さんが書き上げたメッセージは「詐欺の手口を知って世界一安全な街を目指しましょう」。このメッセージはクリアファイルに印刷され、町民らに配られる予定です。
去年、急激に被害額が増えてきた「SNS型投資詐欺」。被害総額は、去年1年間だけでおよそ277億9千万円に上りました。この「SNS型投資詐欺」の中でもいま特に注意が必要なのが「著名人のなりすまし詐欺」です。
前澤友作さんをかたる偽広告
「こんにちは。私”ぜんざくゆうさわ”、日本人に高収入をもたらす新規の投資プロジェクトをご紹介したいと思います」。
堀江貴文さんをかたる偽広告
「世界中の投資家が、今がFXでトレードするベストタイミングだと考えています」。
これらは、本人には無断で写真などを使った偽の広告。ふたりは10日、自民党の勉強会に出席し、対策を訴えました。
堀江貴文さん
「この広告でだまされるかと思って見てますけど、それでだまされている人がいるってことは、広告規制しないとだまされるってことじゃないですか」。
ことし1月には、HTBの記者が利用しているSNSに経済評論家の岸博幸さんを名乗る広告も現れていました。
永山友菜記者
「こちらが岸博幸さんを名乗るホームページとなっています」。
その後、メッセージでやり取りを重ねると、投資に関する勉強グループへと招待されました。記者であることを明かすと、相手とは連絡が取れなくなりました。
身近な所まで来ている著名人をかたる詐欺。国は、特に悪質なケースには関係する省庁が連携して対処することにしています。
<スタジオ>
SNSで投資を呼び掛ける詐欺、被害は急増しています。
去年の全国の被害額は1年を通して増加し、12月の被害額はおよそ50億円と、1月の5倍ほどにまで膨らみました。
特に多いのが、「著名人になりすました広告」を使う手口です。
これは、一例です。
ラインやフェイスブックを利用していると、突然、有名な人の写真や音声などとともに、投資を促す広告が出てきます。
広告をクリックして進めていくと、その著名人の「アシスタント」が登場します。
「アシスタント」からはニセの投資サイトが紹介され、指定の口座への入金を促されます。
入金したお金は、ニセの投資サイトの中では、投資によって利益が出ているように表示されます。
さらに利益を増やそうと入金を繰り返しますが、そのうち、「アシスタント」と連絡が取れなくなり、後からお金が戻ってくることもありません。
警察は、会ったことのない人物からの安易な儲け話は信用しないように呼びかけています。