【パリ行きの命運を託された23選手】攻守両面で特徴を出せるか…柏とベンフィカに育てられた守護神・小久保玲央ブライアン

柏とベンフィカで育った守護神・小久保玲央ブライアン[写真:Getty Images]

パリ・オリンピックのアジア最終予選を兼ねるAFC U23アジアカップが15日に開幕する。出場16カ国が4組に分かれてのグループステージから始まる五輪出場もかけた戦いは約2週間ちょっとのスケジュール的にも勝ち上がれば勝ち上がるほど総力戦が必至。ここではパリ行きの命運が託されたU-23日本代表の23選手を紹介し、小久保玲央ブライアンにフォーカスする。

■小久保玲央ブライアン(GK/ベンフィカ)

ナイジェリア人の父を持つ小久保は190cmと恵まれた体躯を持つ守護神。柏レイソルの下部組織出身で、これまでも多くの守護神を輩出する中、トップチームに昇格せずに海を渡った。

18歳でドアを叩いたのはポルトガルの名門クラブの1つ、ベンフィカ。U-23チームに加入すると、2020年8月にはUEFAユースリーグ決勝に出場。レアル・マドリーを相手に敗れたが、多くの経験を積んでいる。

その後Bチームに昇格。2022年1月にBチームでデビューを果たすと、同年5月に行われたプリメイラ・リーガ最終節で初のベンチ入りを果たすなど、徐々にステップアップを果たしている。

今シーズンからはファーストチームに正式に昇格。23歳という年齢は、ヨーロッパ基準では決して若いとは言えない中、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグもベンチに座って経験。未だデビューは果たせず、リーグ戦ではベンチ入りもままならないが、今シーズンもBチームで開幕から出場を続けるなどして16試合に出場。ただ、1月14日を最後にメンバーにも入れておらず、苦しい状況ではある。

特徴は長身を生かしたハイボールの処理、そして手足の長さを生かしたセービングに加え、ビルドアップの能力が長けている。元々はFWでプレーしていたこともあり、足元の技術は高い。GK鈴木彩艶(シント=トロイデン)とのポジション争いになるが、今大会は鈴木が不在。パリ五輪の切符を掴むためにも、ゴールに鍵をかけたいところだ。

3月の活動ではU-23ウクライナ代表戦にフル出場し、クリーンシートを達成。良いセーブもいくつか見せており、今回消臭を受けた3人では一歩リードしている感もある。

柏時代のチーイムメイトでもあるFW細谷真大も今大会のメンバーに選ばれており、最前線と最後尾の2人が牽引し、パリ行き、そしてA代表行きに繋げることができるのか。ポジション争いもある中での杯パフォーマンスを期待したい。

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