J1神戸 大迫負傷、前川出停で迎える首位町田との国立決戦 注目は前線の汗かき役と闘志あふれるGK

ヴィッセル神戸

4月最初の2試合で勝点1という悔しい結果に終わった、サッカー・J1のヴィッセル神戸。次節は昨シーズンのJ2王者であり、今シーズンのJ1で現在首位に立つなど、リーグ戦で旋風を巻き起こしているFC町田ゼルビアとの対戦が待っています。J1連覇のためには連敗は許されない、是が非でも勝利が欲しい一戦では、けがから復帰した経験豊富な2人の選手に期待がかかります。

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前節のヴィッセルホームゲーム、7日に行われたJ1第7節の横浜F・マリノス戦では、1-2と惜敗したヴィッセル。昨年のJリーグMVPで絶対的エースのFW大迫勇也選手が負傷交代、チームの正GKを担う日本代表の前川黛也選手が相手の決定機をファウルで阻止したとして退場処分になるなど、アクシデントが続出。10人での戦いを強いられた終盤に勝ち越し点を決められ、悔しい2敗目を喫しました。3日のJ1第6節サガン鳥栖戦(0-0)では、序盤戦で効果的な活躍を見せていたDF広瀬陸斗選手が前半で負傷交代を強いられており、そんな中で迎える町田戦は不安要素ものぞかせます。

それでも、クリムゾンレッドにはポジティブな要素も見られました。2月のJ1開幕直前に負傷し戦線を離脱していたMF井出遥也選手とGK新井章太選手が今シーズンのJ1で初めてベンチ入りし、途中出場を果たしました。

横浜FMとの試合後、「けがをしてから、トレーナーや先生方のもとでしっかりリハビリを積んで、今日の試合を目指していた。そういう意味では順調に(復帰まで)これたかなと思う」と井出選手。大迫選手に代わっての途中出場でしたが、「負けている状況だったので、(監督からは)ゴールへ向かっていくよう言われていた。自分のいつも通りのプレーをやろうと思っていた」という背番号18は、「ああいう状況でいい入りができ、同点へ持ち込めた。失点してしまったが、その後の10人での姿勢も全員がゴールに向かっていた。これ(悔しい結果)を1つ、自分たちで乗り越えて、次の町田戦にしっかり向かっていきたい」と、次戦を見据えていました。

攻撃陣のなかで“汗かき役”となり、前線の潤滑油として、ヴィッセルのなかで存在感を示す井出選手。チームに加わった昨シーズンはJ1で18試合出場2得点という成績を残し、優勝決定試合では値千金の先制点を記録。クラブの歴史に名を刻んだ選手の一人です。しかも待望のJ1初得点を決めた舞台は、東京・国立競技場。次節の町田戦はこの地で行われるため、ゲンのいい国立で井出選手が躍動する姿を期待せずにはいられません。

一方、今シーズンからヴィッセルに加わった新井選手。新体制会見や2月のインテル・マイアミ戦(@国立、0-0、PK4-3)での好パフォーマンスで早速サポーターのハートをつかみましたが、その後のトレーニング中にあごを骨折するなどのけがを負い、しばらくは井出選手とともにリハビリの日々に。それでも闘志あふれるムードメーカーは、こちらも順調に回復を見せ、このたびホームゲームに初見参。しかも、前川選手退場という窮地でピッチに立つことになりました。

「10人になって、普段とは違うセットプレーの形だったので、その(壁にたつ)枚数とかをスタッフの方と話し合いながら、冷静に入った。常に試合中は、全員に声をかけて試合に入っているイメージで、自分のなかで心の準備をしている。全然緊張とかはなく試合に入れた」という新井選手。

83分に生まれた横浜FMのFWヤン・マテウス選手のゴールは、GKからすればどうしようもないような、相手のシュートを褒めるべきものだったように見えましたが、「僕からの発信でもうちょっとオーガナイズできれば。セットプレーのところからでしたが、いろいろ反省するところはあるので。声ひとつで守れる失点でもあったので、そこはチームメイトとしっかり話し合って修正していきたい」と述べていました。

「久しぶりに公式戦でピッチに立ったということで、距離感だったり(感覚を)戻していかないといけないところがけっこうあった。それを今日、経験できたので、次につなげたい」と前を向く背番号21は、「(ホーム・ノエスタは)本当に素晴らしい雰囲気だった。あとは勝つだけ。もったいない負けだなと思う。10人だろうと、何人になろうと、勝ちにいかなければいけない。あそこはしっかり守って、味方の援護を待つべきだった」と、ひときわ悔しさをにじませる様子も。川崎フロンターレ時代にタイトル獲得に貢献した経験を持つだけに、勝利へのどん欲な思いも持ち合わせています。

次節の町田戦の先発GKは、新井選手なのか、それとも、それまでベンチ入りしていたオビ・パウエル・オビンナ選手なのか、吉田孝行監督のチョイスにも注目が集まります。魂がこもった新井選手の熱い思いやプレーは、ピッチでもベンチでも必ずチームにプラスになることでしょう。新井選手は昨シーズン、J2のジェフユナイテッド千葉でプレーし、町田との対戦も経験済み。黒田剛監督のもと強度高く戦う相手のスタイルも目の当たりにしているだけに、その経験もいかしたいところです。

J1第8節、町田とヴィッセルの一戦は、4月13日(土)午後3時キックオフ予定。J1王者の意地を示したいヴィッセルとしては、今のチームの総合力が試される国立決戦となります。チームトップの4得点を決めているFW宮代大聖選手をはじめ活躍が楽しみな選手が多いクリムゾンレッド。そのなかで、プロ13年目の井出選手と同14年目の新井選手という、経験値の高い2人のプレーにも注目です。

※ラジオ関西『GOGO!ヴィッセル神戸』2024年4月8日放送回より

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