12年ぶりに「2人展」 故鈴木亮平さんと故石山富彦さん 思い出の洋画一堂に 福島県会津若松市

来場を呼びかける(右から)細田さんと石山さん

 終戦直後の福島県会津地方で出会い、生涯にわたり交流を深めた洋画家の故鈴木亮平さんと故石山富彦さんの二人展は21日まで、会津若松市のアートギャラリー三遊で開かれている。約12年ぶりの合同展で、遺作を展示している。入場無料。

 鈴木さんは高校で、石山さんは中学校で美術を教えた。写実的な作風を貫く互いの作品を通して意気投合し、1966(昭和41)年に合同展を始めた。鈴木さんが1999(平成11)年に他界した後も、石山さんが遺作を飾って展示会を続けた。しかし、石山さんが2011年に亡くなり、親族が企画した翌年の合同展が最後となっていた。

 今回は13点ずつを展示している。鈴木さんの作品は、会津の農村風景やヨーロッパの街並み、静物などを柔らかなタッチで味わい深く描いている。石山さんはシャープな画風で、鶴ケ城や裏磐梯の残雪、会津若松市を流れる湯川など日常の風景を精緻に捉えた作品が並ぶ。

 鈴木さんの長女の細田逸子さんは「再び二人展を開催できてうれしい」と話し、石山さんの長男で画家の石山かずひこさんも「(風景画を通して)当時の会津の様子を知ることができるので、ぜひ見てほしい」と来場を心待ちにしている。時間は午前10時から午後6時まで。

(会津版)

© 株式会社福島民報社