「長くゴルフを続けるために」今月24日に手術→長期離脱 植竹希望の大きな決断

手術前最後の戦いに挑む植竹希望(撮影:佐々木啓)

<KKT杯バンテリンレディス 事前情報◇11日◇熊本空港カントリークラブ(熊本県)◇6518ヤード・パー72>

2022年覇者の植竹希望が大きな決断をした。以前から悩まされていた右股関節痛の完治に向け、今月24日に内視鏡手術を受けることになった。6日には自身のSNS(インスタグラム)で手術を受けることについて公表していた。

この日の練習後、取材に応じて状況を説明した。「数年前から椅子に長く座ることができなくなった。これまでヘルニアと診断されたこともあったが、1月に改めて検査を受けて、右股関節唇損傷(みぎこかんせつしんそんしょう)と診断され、手術することにしました」。股関節唇損傷とは股関節のフチにつく軟骨が損傷するケガ。植竹も損傷、割れている状態だという。

数年前から腰痛を訴えており、「患部をかばって痛みを逃すように振っていたら、スイングも崩れてしまった」と負の連鎖に陥ったと振り返る。初シードを獲得して迎えた22年にこの大会でツアー初優勝し、メルセデス・ランキングは自己最高の22位に躍進した。だが、昨年は34試合に出場してトップ10入りは一度もなし。メルセデス・ランキングは97位にまで急降下した。今季はQTランク77位の資格で出場し、レギュラーツアーはこれが初戦となる。

先週は下部ステップ・アップ・ツアー開幕戦「YANMAR HANASAKA Ladies Golf Tournament」に出場して予選落ち。ラウンドには月に一度の注射が欠かせないが、「やっぱりゴルフが好きだから(試合に)出てしまう。もちろんお医者さんにはOKをもらっています」と笑った。

手術後は1カ月の入院が必要で、クラブを振れるようになるのは少なくとも4カ月後という。「45、46歳まで私はゴルフを続けたい。今年中の復帰は難しいかもしれないけど、長くゴルフをやるための決断です。若いうちに(手術を)やれば治りも早いと思うし、やる気に満ちた今、やろうと思いました」。おそらく今季はこれが最初で最後のレギュラーツアーとなるが、完全復活のために手術→リハビリという長期の離脱を決めた25歳に悲壮感はなかった。(文・臼杵孝志)

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