元結合双生児グエン・ドク氏来日、「ありのまま見て」主演ドキュメンタリーで正しい情報発信と平和啓蒙

来日特別試写会に出席したグエン・ドクさん【写真:ENCOUNT編集部】

映画『ドクちゃん -フジとサクラにつなぐ愛-』主演

東京・日本赤十字看護大学にて11日、映画『ドクちゃん -フジとサクラにつなぐ愛-』(5月3日順次公開)の主演を務めたグエン・ドク氏の来日特別試写会が行われた。登壇したドク氏は、同作にまつわる思いなどを語った。

同作は、昨年の日越外交関係樹立50周年と、分離手術から35周年を記念するドキュメンタリー作品。ベトナム戦争で使用された枯葉剤の影響を受け、ベトナムで結合双生児として生まれた運命、今も後遺症と戦う宿命、そして平和のメッセンジャーという使命とともに、“ドクちゃん”ことドク氏がたくましく生きる姿を描く。

ドク氏はかつて、枯葉剤の現状などを訴えるべく、テレビ朝日系列の『徹子の部屋』や『ニュースステーション』などにも出演。2007年に他界した兄・ベトが1986年に、原因不明の急性脳症で危篤状態に陥った際、そろって日本・広尾の日赤医療センターに搬送され、集中治療室で約4か月にわたって治療を受けた過去も持つ。

現在43歳のドク氏。マイクを手にすると「この映画を見た人に伝えたいことは、2つあります」と切り出し、「1つ目は、現在の私、グエン・ドクのありのままの姿を皆さんに見ていただきたい。2つ目は平和のありがたさ。戦争が残した苦しみというものが描かれている。今こそ、戦争が再び起きないように、起こさないようにという気持ちを皆さんにぜひとも伝えたいです」と訴えた。

続けて「私のことは、30年数年くらいずっと、日本で非常に多く報道されたり、本やドキュメンタリーなどいろんなところで紹介されてきました。やはり、その中には、『ちょっとどうなんだろうな』と思うこともあった。今回の映画を通じて、正しく、私グエン・ドクという人間について見ていただきたいです」と語った。ENCOUNT編集部

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