イノシシ対策を “てごうする” 地域にプロが駐在 鳥獣害対策「tegos」が発足

イノシシやシカなどによる農作物への被害がいっこうに減らない中、全国で初めて対策のプロを広島県内の市や町に置いて鳥獣害対策を支援する組織が発足しました。その名も手伝うという意味の広島弁「てごうする」をもじった「tegos(テゴス)」です。

県鳥獣対策等地域支援機構=通称「tegos」。県内23市町のうち、今年度は手始めに5つの市町に鳥獣対策専任の職員を駐在させます。

テゴス 向谷敦志 代表
「各地域の獣害対策をわれわれがお手伝いすると。ぜひとも広島県の被害額を半減するように尽力してまいります」

広島県内の農作物の鳥獣被害はおよそ4億円…。ピーク時の半分以下になったものの、ここ数年、下げ止まりの傾向です。対策にあたる市町職員の定期異動でノウハウを蓄積しにくいことがネックでした。

そこで県や市町が会員となってテゴスを結成。会員となった市町に専任の職員を駐在させる仕組みを作りました。

テゴス 北広島町駐在 上田翔 さん
「劣化とかではずれて、そこからどんどん侵入を許してしまうことになるので注意してください」

10日は、その1人が防護柵の管理の仕方などを参加者にアドバイスしていました。

記者
「テゴスの強味は、鳥獣対策の専門知識を持った民間業者が全面協力していることです」

その協力業者が福井県に本社がある「BO-GA(ボーガ)」で、県が先に行ったシカの捕獲の実証試験でも成果をあげています。テゴスにはBO-GAの元社員が役員に就任。県内各地の防護柵の実態を調べた結果をもとに対策を立てる計画です。

中川浩二 理事
「実際に破られた個所がたくさんあるので、なぜそうなったのか要因分析しながら、対策を立てていくのでないと改善しないと思うので、そこをしっかりやっていければなと思います」

全国初という「テゴス」がどんな成果をあげるのか、広島県内の農林業関係者が注目しています。

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