医師が解説! 紅麹、機能性表示食品、プベルル菌ってそもそも何?

4月11日「長野智子アップデート」(文化放送)、午後4時台「ニュースアップデート」のコーナーでは、健康被害が急増している「紅麹」問題を取り上げた。紅麹の基本的な情報から、医学博士で本郷赤門前クリニック院長の吉田たかよしさんに話を伺った。

鈴木敏夫(文化放送解説委員)「紅麹関連のニュースは、最初に問題が発覚してから厚生労働省への連絡が遅かった、ということで、その辺りのドタバタが始まりました。小林製薬も謝罪したと思ったら、直接的な原因についてはわからない、というような情報が出て。非常に行ったり来たりしている、という状況です。ここは専門家のお医者さんに聞くしかない、ということになりました」

長野智子「イロハのイですが、まず紅麹ってなんですか?」

吉田たかよし「紅麹というのは赤い色素をつくるカビの一種。紅麹菌で発酵させたものです。長い歴史の中で、人間に飼いならされた微生物なので、一般的には安全性は高いんですね。それで赤い色素がカニカマ、ハム、ソーセージなどの着色に利用されています。その紅麹にモナコリンKという物質が含まれていて、これがコレステロールを下げる機能があることが発見されたので、小林製薬が機能性表示食品としてサプリにしたわけです」

長野「日本で汎用されているものはもともと特に毒性がないものということですね。いろんな報道があってゴチャゴチャしているんですけど今回のことは、別の菌が混入した、といったことなんですか?」

吉田「プベルル酸という本来は含まれない成分が見つかっていますので、その可能性はあります。どうして混入したのかも含めて、現時点ではなんともいえません」

長野「プベルル酸が原因、ともハッキリとはわかっていないということですね」

吉田「はい。可能性は高そうですけどね」

長野「なんであんなに早く厚労省は発表したんでしょう? 小林製薬が会見しているときに出ましたよね」

吉田「これほど重大な問題を起こしていますので、情報を早く出すということはすごく重要です。またプベルル酸自体が、それほどみんなに認識されている物質ではないので、発表することによって、いろんな専門家の知恵を集約する、という意味があったと思います。情報を発表したこと、私は評価していますね」

長野「この背景となって議論されているのは、機能性表示食品です。これはどういうものなんですか?」

吉田「よく似たもので特定保健用食品、略してトクホのほうが馴染みがあると思います」

長野「国の認可の、ですね」

吉田「はい。国が安全性と効果を審査したもので、比較的安心はできます。でも審査を通すためには、データをいっぱい集める必要があり、けっこうコストがかかるんです。それが製品の価格に上乗せされますので、トクホの商品は値段が高くなりがち。それで2015年に新たに始まった制度が機能性表示食品です。こちらは安全性と食品が持つ機能について各企業が科学的根拠を示す場合、判断は各企業に任されているので、ぶっちゃけ、トクホより遥かに簡単に販売できます。お手軽な値段で。実際、業界全体の売上は右肩上がりです」

吉田さんは「今回の件で、機能性表示食品の全体が危険なものだとは思わないでいただきたい」とも語った。

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