食品ロス削減自販機 南区のパン屋が新たに参入 キャッシュレス販売に 横浜市中区・横浜市西区・横浜市南区

パンを補充した自販機の前で「カッセルカフェ」の八亀夫妻(4月5日撮影)

SDGsの取組として、食品ロス削減を目的に地下鉄関内駅構内に設置されているロッカー型自動販売機が一新され、4月5日から南区南太田のドイツパン店「カッセルカフェ」の商品が加わった。これにより、1月の開始当初から販売していた「縁道パン」=中区相生町=と2店のパンを販売。現金での購入から交通系ICやクレジットカードなどのキャッシュレス払いに変った。

ロッカー型自販機は、市とロッカーの製造・販売のアルファロッカーシステム=金沢区=、地元のパン店が共同で実施。縁道パンでは閉店後にその日に売れ残ったパンをロッカーに搬入し、通常の約3割で販売していた。「美味しいパンがお得に購入できる」とすぐに話題を集め、補充時間前に行列ができるなど大盛況に。同店では、「名前や味を知ってもらえたことで実店舗への来店が1、2割ほど増加した」と話し、「結果的に食品ロスが減り、良い循環ができている」と喜ぶ。

カッセルカフェの八亀明子さんと夫・淳也さんはメディアでこの取組を知り、「パンの原材料も高騰する中、捨てるのではなく食べてもらう機会があれば」と参画を申し出た。自販機で販売するのは二次利用ができないデニッシュ系のみ。数個セットで1000円、最大3セットを販売する。

設置エリア広がる

アルファロッカーシステム営業部担当部長の三木正造さんは「多くのメディアで取り上げられたことで認知が進んだ」と実感。19日から神奈川区の横浜銀行アイスアリーナ内にも設置される。

一方、「少人数経営が多いパン店の補充人員の確保や、気温が上がる季節の取扱いなどの課題も見えてきた」といい、補充から一定時間経ったパンの販売を休止するなどの対応を検討している。

パンの補充は縁道パンが月〜金の午後7時頃、カッセルカフェが月・水除く5時〜6時半頃。商品補充がない日もあり。

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