【上陸できるのは1日9人だけ?】「死ぬまでに見るべき世界の絶景13選」に選ばれた秘境「青ヶ島」<行くなら4月が狙い目編>

上陸できるか、そして帰れるかは運次第。絶海の孤島・青ヶ島に行くなら4月がおすすめです(撮影:猪俣慎吾)

どうもこんにちは。

誰が呼んだか「絶景キャンプフォトグラファー」こと猪俣慎吾です。

ようやく冬も終わり、春の息吹がそこらじゅうに溢れていますね。日本中が暖かくなってきて、アウトドアライフも一層盛んになってくる季節かと思います。

そこで今回は、春キャンプにおすすめしたい日本の秘境、「青ヶ島」をご紹介したいと思います。巷では「選ばれしものしか上陸できない」なんて言われている島です。

なぜ、そんな言われ方をしているのか。前編ではその理由を、後編では島の魅力をたっぷりとレポートしてみましょう。

では、いきますよ!

■4~6月は一番船で上陸しやすい時期

「日本の秘境100選」の存在をご存知でしょうか。これは雑誌『旅』の750号記念シンポジウムにて、岡田喜秋、C・W・ニコル、立松和平、辺見じゅん、椎名誠、野田知佑によって選定されたものだそうです。これを参考に、旅に出かけている方も多いかと思います。

その中で、もっとも行きにくい秘境と言われているのが、なんと東京都の青ヶ島なんです。なんで行きにくのかというと、メインのアクセス方法である船が週に3、4便しかないことに加え、二重離島であることと外海に港があることが、行きにくさに拍車をかけているようです。

船は週に3、4便のみ

二重離島とは読んでそのまんまですが、島を経由しないと行けない島のことを言います。直接行く術がないんですね。

青ヶ島への行き方は2種類あって、八丈島から船かヘリコプターで行くことができます。船はリーズナブルな値段で行くことができますが、問題は外海に港があること。これは海が荒れれば、すぐに入港ができないことを意味していて、実際の就航率は年間平均で50%ほど。船に乗ったのに島を目の前にして引き返す、なんてこともザラにあるようです。

船の就航率が低いのなら、就航率がより高いヘリコプターで行けば良いと思うでしょうが、1日1便のみのヘリコプターの乗員はわずか9名。予約ですぐに満席になることが多いので、土日で空いていたら運が良いと思った方がいいです。

船でもヘリコプターでも、行きは行けたけど、帰りは天候不良で帰れなくなってしまう恐れもあので、出発前には必ず帰りの予報もチェックすることが大切です。帰りが難しそうなら、そもそも行くのはやめた方が賢明。本当に帰れなくなりますからね。

青ヶ島に確実に行くコツとしては、直前の予報で判断して、ほぼ弾丸で船で行くのが良いと思います。じつは皆さんに朗報で、今この記事が出ている4月からの船の就航率が一番高い。4~6月は海があまり荒れないので、一番船で上陸しやすい時期だと言われています。

4月は平均気温も16℃前後と、キャンプをするにはまだ暑くなく、寒すぎないちょうど良い時期です。

■島の中心部まで港からレンタカーで10分ほど

青ヶ島にある船はすべて陸に揚げられている

私はこの時期に、運良く船で上陸することができました。

船を降りるとすぐに目に入ってくるのが、陸揚げされた船たち。これは漁業船なのですが、操業しない時は陸揚げしておいて、海で操業する時はクレーンを使って海に降ろすようです。自分が行った時は見られませんでしたが、運が良いとその陸揚げするシーンが観られるそう。

上陸直後から驚きの光景で、これからの青ヶ島散策が楽しみになってきました。

島内はレンタカーを借りて回ることができます。レンタカーに乗って、町の中心部まで坂道をどんどん上がって行くのですが、その車窓の景色が早速の絶景でもあります。青ヶ島を象徴する外輪山と内輪山の二重カルデラです。

この二重カルデラが島で観られるのは、世界的にも珍しい風景みたいです。今回宿泊予定の青ヶ島キャンプ場は、この二重カルデラの内輪山にあるんですね。

車でどんどん上がって行き、港から10分くらいほどで、高台に位置している青ヶ島の中心部の町へと到着できます。

村役場でキャンプ場の受付を済ませたら、今日の食材の買い出しをします。青ヶ島には唯一のスーパーマーケット『十一屋酒店」があり、わざわざ持って行かなくても良いくらい食材が豊富に揃っているので、本当に便利です。人当たりの良い優しい店員さんが声をかけてくれて、島情報をたくさん教えてくれました。

曰く、キャンプ場には島独自の調理法である「地熱釜(ひんぎゃ)」があるそうです。調理用に卵やじゃがいもを買うと、調味料のひんぎゃ塩もいただけます!

後編では島ならではのキャンプ場の様子や、地熱釜とはどのようなものなのかをレポートします。お楽しみに。

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