出場停止が解けたハレップの復帰2大会目はポルトガルのWTA125「できるだけ多くの試合に出場するつもり」<SMASH>

今年3月にドーピング違反による出場停止処分からカムバックした女子テニス元世界ランク1位のシモナ・ハレップ(ルーマニア/現1114位/32歳)が、来週開催されるWTA125大会「オエイラス・レディース・オープン」(4月15日~21日/ポルトガル・オエイラス/クレーコート)の本戦ワイルドカード(WC/主催者推薦)を獲得したことが明らかになった。同国のテニス協会が9日に更新したインスタグラム(@fptenis)で伝えている。

2022年全米オープンでの禁止物質「ロキサデュスタット」の検出と、「生体パスポート」に関わる違反で4年間の出場停止処分を受けたハレップは、今年2月にスポーツ仲裁裁判所(CAS)の審理で勝訴。この結果、資格停止期間が22年10月7日~23年7月6日に短縮され、即時復帰が認められた。

先月の「マイアミ・オープン」(WTA1000)でWCを得て約1年7カ月ぶりに実戦に復帰。1回戦で元世界2位のパウラ・バドサ(スペイン/現91位)に6-1、4-6、3-6で敗れはしたものの、ブランク明けとは思えない力強いプレーを披露し、完全復活への大きな一歩を踏み出していた。
その直後に、代表メンバーに入っていた女子国別対抗戦「ビリー・ジーン・キング・カップ・ファイナル予選」(BJK杯)を「健康上の理由」で外れ、状態が心配されていたハレップ。しかし今回オエイラス・オープンのWCを受け取ったことを踏まえると、コンディションは大方問題ないと見られる。また今は1000位台となっているランキングをいち早く戻すべく、個人のツアーを優先したいという考えもあるのかもしれない。

米テニス専門サイト『Tennis Majors』は、ハレップが先日ポルトガルメディアの取材で今回のWC獲得について口にした喜びと感謝の言葉を次のように紹介している。

「自分のスケジュールに新しいトーナメントを追加できることにとても興奮している。ツアーに戻った後は、できるだけ多くの試合に出場するつもりよ。今回のWCによって、ポルトガル国民の前でそうする機会が得られる。参加させてくれる大会側に感謝したいし、プレーするのが待ちきれないわ」

長くツアーから離れていたハレップとしては、試合勘を取り戻しながらできる限り早くプレーの質を上げていきたいところだろう。そのためにも復帰2大会目となるオエイラス・オープンでどれだけ勝ち上がれるかは、1つのキーポイントになりそうだ。

文●中村光佑

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