AJA、NAB 2024に先立ち製品アップデートを発表。新機能を追加したColorBox v2.1を公開[NAB2024]

AJA Video Systemsは、放送、プロダクション、ポストプロダクション、プロAVに対応するソリューションの大幅な機能強化を発表した。2024年4月14日から17日まで米国ラスベガスのコンベンションセンターにて開催されるNAB Showでは、今回アップデートが発表された製品がAJA ブース(ブース No.SL3065)で展示される。

今回の製品アップデートでは、カラーマネージメントデバイス「ColorBox」向けに新機能を満載したv2.1 ソフトウェアアップデートが含まれており、同社ウェブサイトで無料でダウンロードできる。

ユーザーからの声を新機能へ反映し、ワークフローをより効率化するために設計されました。プロの制作現場で技術進化に遅れを取らない規格や、フォーマット、プロトコル、コーデックへのサポートが追加されているという。

AJA Video Systems社の社長、Nick Rashby氏は次のようにコメントしている。

Rashby氏:カラーマネジメントからストリーミング、IPビデオ、データ管理まで、メディア制作の一連のプロセスは急速に進化しています。私たちの目標は、最新のテクノロジーをすぐに、より高いコスト効率で利用可能にし、お客様の日々の業務に貢献することです。今回発表した革新的なアップデートで、ユーザーが制作現場で最も重要な業務に集中できる柔軟性を高め、高品質なコンテンツを確実に制作できる新機能を提供しています。

各製品のアップデート内容は以下のとおり。

ColorBox v2.1

映画やドラマ、放送、ライブイベントなどの制作環境全体において、高精度なカラーマネジメントやモニタリングは、当然のものとして求められるようになってきている。AJAは、ColorBox のリアルタイムカラーマネジメントワークフローを強化する機能豊富なアップデートを発表した。

ColorBox v2.1では、新たに4K/UltraHD のダウンコンバージョンと4K/2Kクロップの機能が加わり、最新のACESメタデータファイル(AMF)へのサポートや、ARRI Wireless Video Optimized LogC4(WVO LogC4)との互換性などが追加された。ユーザーからの意見を反映したいくつかの新機能や機能改善によって、新興技術にも対応できるワークローを提供する。

ColorBoxの信頼性がより一層強化された証として、同製品とPomfort社のLivegrade(撮影現場でフッテージをグレーディングするためのプロフェッショナルツール)は、共同でACES(Academy Color Encoding System)認定ロゴを世界で初めて取得したという。

FS-HDR v4.3

AJAのリアルタイム HDR/WCG コンバーターおよびフレームシンクロナイザー FS-HDR 向けに、新ファームウェアv4.3を発表。最新のBBC HLG LUT v1.7への対応に加え、動きのある映像に最適化されたインターレース解除(デインターレース)機能や、複数のチャンネル間でハイフレームレート(HFR)を同期させる機能が新たに搭載された。

最新のBBC HLG LUT v1.7のアップデートでは、高彩度の色の再現性を改善したLUT 9と、SDRをより広い色域で出力するLUT 21が追加された。動きのある映像に最適化された新しいデインターレース機能は、動きの速さに合わせて処理を調整するため、速い動きが含まれる一部のインターレース映像の品質が向上するという。

さらに、チャンネル間のHFR同期を任意で設定できるようになった。これによりユーザーは、制作ニーズに応じて簡単に同期の制御をオンまたはオフにできる。FS-HDR v4.3は、2024年の第2四半期に無料でダウンロード可能になる予定。

BRIDGE LIVE v1.16

AJAは、IPビデオワークフロー向けのゲートウェイシステム BRIDGE LIVEのアップデートも発表した。新たに発表されたファームウェアv1.16には、制作現場での操作性を向上させるためのさまざまな機能強化が盛り込まれている。オペレーティングシステムRocky Linux 9への新規対応、SRT v1.5.3のボンディング機能、NDI v5.6で追加された複数のディスカバリーサーバーを使ったNDIデバイス管理機能、AAC-HE v2形式でのエンコード/デコード、20-bitでDolby Eをパススルーする機能などが追加された。

BRIDGE LIVE v1.16の無料ダウンロードは、2024年の第2四半期から開始される予定。

AJA Desktop Software v17.1

AJA Desktop Softwareのファームウェアv17.1が発表された。v17.1では、AJA KONA、Io、T-TAP製品で、SCTE-104、Dolby Vision、クローズドキャプション、SMPTE タイムコードなどのメタデータをパススルーする機能が追加されている。このリリースでは、Linux利用時のThunderboltへの対応も加わった。

FS4 v3.1

4チャンネルの2K/HD/SD、またはシングルチャンネルの4K/UltraHD フレームシンクロナイザーおよびアップ/ダウン/クロスコンバーター「AJA FS4」は、新しいファームウェアv3.1 が公開され、ユーザーからの声を反映した機能改善が提供されている。このアップデートでは、映像の動きに適応する新しいデインターレース機能や、ユーザーが任意で設定可能なチャンネル間の HFR 同期制御など、強化された機能を利用できる。

FS4 v3.1の無料ダウンロードは、2024年の第2四半期から開始される予定。

HELO Plus v2.1

H.264 配信および収録デバイスの「HELO Plus」は、無償ファームウェアアップデートv2.1 が発表た。HELO Plus v2.1では、CallerモードにSRTストリーミング用の IDパラメーターが加わり、SRT Listener モードも選択可能になった。さらに、ステータス確認ページで各エンコーダーのBフレームの設定を表示できる機能など、さまざまな新機能が提供されている。HELO Plus v2.1の無料ダウンロードは、2024年の第2四半期から開始される予定。

Diskover Media Edition v2.2.3

データ管理および共有用ソフトウェア「AJA Diskover Media Edition」の新しいファームウェアv2.2.3では、新機能、プラグイン、機能強化が追加されている。AJA Diskover Media Edition v2.2.3は、AJA のウェブサイトから無料でダウンロード可能。

ファームウェア v2.2.3では、メディアやデータが特定の場所やシステムに登録された日付をデータ管理システムに組み込むメタデータカタログ機能を追加。さらに、制作プロジェクト向けの管理ソフトウェアとして人気が高いAutodesk社「Flow Production」Tracking(旧 ShotGrid)用のプラグインも新たに提供されている。その他にも、ワークフローを効率化できる操作性や、ホスト環境に応じてファイルの処理や操作を実行する機能、タスクパネル、分析機能も向上されている。OVA(オープン仮想アプライアンス)を使用できるユーザーは、AJA Diskover Media Edition v2.2.3を数分で設定し試用できる。

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