新型コロナ後遺症「女性・中高年が長引きやすい」「デルタ株のリスク突出」広島大学が患者2421人にアンケート

新型コロナウイルスの後遺症をめぐり、広島大学が、患者のアンケート結果を公表しました。症状が長引きやすいのは、男性より女性で、中高年に多いとみられています。

広島大学大学院は、2020年の3月から2年4か月にわたって、新型コロナに感染した約2400人にアンケートをして、症状などを分析しました。

新型コロナは、ウイルスの型を変えながら流行を続けてきました。最近では、従来の変異株より、重症化リスクが低いとも言われていますが、実際どうだったのか。調査研究をした 杉山文 講師に聞きました。

広島大学大学院・医学博士 杉山文 講師
「オミクロン株になって、『後遺症が減った。(症状が)軽くなった』といわれているが、デルタ株が突出して高かった。アルファ株・WilD株・オミクロン株は、(リスクの)差がない。デルタ株が突出して、重症度・後遺症の頻度が高い」

2021年のデルタ株が主流だった時期が、感染拡大の初期と比べて、リスクが2倍でした。また、倦怠感やせきなどの症状が3か月続いた患者のうち、1年以上完治しない人が約6割いたことも判明しました。

症状が3か月以上続いた患者を世代別にみると、12歳以下の人数を「1」とした場合、30歳から49歳が「6.5倍」、50歳から69歳が「5.5倍」と、中高年が多くを占めました。男女別では、免疫反応が起きやすい女性が、男性の約2倍でした。喫煙者や糖尿病患者も、そうでない人と比べてリスクが高いと分析しています。

広島大学大学院・医学博士 杉山文 講師
「オミクロン株の亜種が出てきていて、2~3年後になった時に症状が続くのか。より長期的な自然経過が明らかになれば」

広島大学大学院は、2024年度中に患者への追加調査を行い、後遺症のサポートにつなげたい考えです。

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