FBI長官、ロ銃乱射事件のような攻撃懸念 議会に予算措置求める

Andrew Goudsward Sarah N. Lynch

[ワシントン 11日 ロイター] - 米連邦捜査局(FBI)のレイ長官は11日、下院歳出委員会小委員会の公聴会に出席し、ロシアのコンサートホールで先月起きた銃乱射事件のような組織的攻撃が米国内でも起きる可能性を懸念していると証言した。

「法執行機関での私のキャリアを振り返ってみると、公共の安全と国家安全保障に対する多くの脅威がこれほど一度に高まった時期は思いつかない」と述べ、予算の手当てを議会に求めた。

共和党のトランプ前大統領はFBIが自身の政敵に甘い一方、自分を不当に標的にしてきたと主張。連邦議会に対し、FBI予算を削減するよう要求している。

トランプ氏が現職だった2017年に任命されたレイ氏によると、24会計年度のFBI予算は活動を維持するために必要な額に5億ドル足りなかった。

レイ氏はまた、米国の敵対者に対する不可欠なツールだとして、今月で期限切れとなる監視プログラムを更新するよう議員に訴えた。同プログラムは10日に下院で小幅な見直しが阻止された。政府の監視権限を抑制するには不十分という両党議員の懸念が背景。

トランプ氏らは、「外国情報監視法(FISA)」として知られるこの法律の別条項が自身の16年選挙運動アドバイザーとの通信傍受に使われたことを受け、監視プログラムの閉鎖を求めている。

マイク・ガルシア議員(共和党)は公聴会でレイ長官に「正直に言うと、こんなことを言うのは心苦しいのだが、私はあなたを信用していない」と発言。「これは必ずしも資金的な問題ではなく、リーダーシップの問題だと思う」と述べた。

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